1960年代の保守的な家庭で、5人兄弟の4男として育ったザック。「特別な子」と呼ばれた彼は、軍で働き音楽を愛する父親と過保護気味の母親、それぞれ文武に秀でた兄2人、問題だらけの次男を観察しながら幼少期を過ごす。やがて思春期に足を踏み入れる1970年代。ザックは同性に惹かれ始めた自らのアイデンティティと、男らしくあれという父親の価値観の間でもがくようになる。

美大で芸術を学んだトニー(イッセー尾形)は、デザイン会社へ就職、その後独立してイラストレーターになり、自宅のアトリエで仕事をこなすようになる。そんなトニーが一人の女性、出版社編集部員・小沼英子(宮沢りえ)に恋をする。