一流の不動産会社で新たな役職を得て、やりがいのあるプロジェクトを一任された若きキャリアウーマン。魅力的な恋人もでき、すべてを手に入れたかのように思えた。しかし、上司の妻に恋をしてしまったことで、彼女の人生は一変する。渦巻く悪意にはまり込む中、知られざる秘密や自身の過去にまつわる暗い動機が明らかになり、彼女は自分を守るために戦うことになる。

夏のある日、ちひろ(原悦子)は養父・軍治(江角英明)の危篤の報に6年ぶりに帰郷した。自宅は軍治が警官を辞してから射的屋を営んでいた。彼女は店内に入ると店番をしている光一(田山涼成)がいた。彼によれば、軍治は危険な状態は回避したもののガンに冒されており、余命3か月と診断されているという。ちひろは冷ややかな表情だった。彼女の脳裏には6年前の、高校2年生の夏の一場面が蘇っていた。 ・・・軍治は警官の制服姿のまま拳銃をちひろに突きつける。「お前が憎い。こんな女らしく育ったお前をみてると、たった11歳で殺されちまったみゆきが思い出されて・・・」軍治はちひろを押し倒し・・・。