巨匠アルフォンソ・キュアロン監督が、家族愛の物語を自身の幼少時の体験を交え美しいモノクロ映像で綴った自伝的作品。政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコで、ある家政婦と雇い主一家の絆を感情豊かに描く。
夫の転勤で、アメリカからイタリアにやってきた中年女性。夫は出世し、彼女はイタリア駐在総代理人夫人として多忙な日々を送る。だが、家族とのスレ違いから我が子が自殺、彼女は孤独に苛まれるようになる……。イタリア映画界の巨匠、R・ロッセリーニ監督が、女性の目を通してイタリア社会の現実と矛盾を見据えた問題作。
19世紀のフランス。パンを盗んだ罪で19年間の服役生活を送ったジャン・バルジャンは、ついに仮釈放されたものの、世間の風は冷たく、再び盗みを働いてしまう。しかし、その罪を見逃してくれた司教の温かい真心に触れて、彼は更生を心に誓う。名前もマドレーヌと改めて、こつこつと善行を積み重ねた彼は、やがて世間の人望を集める市長の座にまで上り詰めるが、昔の彼を知るジャベール警部が執拗にその後をつきまとう。
残虐な犯罪を続ける少年犯。彼らは“少年法”に保護されている。最愛の娘が、少年達によって、凌辱され殺された。ある日、謎の密告電話により、失意のどん底に落ちていた父親・長峰重樹は、犯人を知ることになる。「我が国の法律では未成年者に極刑は望めない!」復讐が何も解決しない虚しい行為だと分かっていながら、父親は自ら犯人を追う。そして、長峰を追う2人の刑事。織部孝史と真野信一。被害者の絶望は、永遠に消えない。そして、少年達は犯した罪と同等の刑を受けることはない。法律を守る。という建前の正義を優先する警察組織に、不条理さを感じる刑事たち。それぞれが苦悩しながら、事件は衝撃の結末に向けて、加速していく。
自らの子供を焼死させた罪で死刑判決を受けた男。彼と知り合い、特別なきずなを育んでゆくなかで、その無実を信じたひとりの女性がえん罪を証明しようと奔走する。
幼い息子を事故で失ったコーベット夫婦。思い出を大切にしつつ前へ進もうとするハウイーと、亡き息子の幻影に心を乱されるベッカ。同じ傷みを共有しつつ、その関係は少しずつ綻びをみせて……。ニコール・キッドマンらの熱演が光る、感動の人間ドラマ。