“あの光の中に、行ってみたかった”。高1の夏に離島から家出し、東京にやって来た帆高。だが生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼のこれからを示唆するかのように、連日降り続ける雨。そんな中、雑踏ひしめく都会の片隅で、帆高はひとりの少女と出会う。ある事情を抱え、弟と2人で明るくたくましく暮らすその少女・陽菜。彼女には不思議な能力があった。
凶悪犯の張り込みの最中に親友で同僚の堀部の好意に甘え、数カ月前に幼い子供を亡くし失意のまま体調を崩していた妻・美幸を病院に見舞った西は、そこで妻が不治の病で助からないことを聞かされる。ショックを受ける西。だがそんな彼に、更に堀部が犯人の凶弾に倒れたとの連絡が入った。その後、犯人は別の場所で発見されるも、逮捕へのあせりから西は失態を演じ、後輩の田中が命を落としてしまう。罪悪感にさいなまれ、職を辞す西。彼は、下半身不随となり車椅子の生活を送る堀部に画材道具を贈る為、また田中の妻や余命幾ばくもない美幸との生活資金を工面する為、ヤクザから借金を重ねるようになる。しかし、その返済に首が回らなくなり、思い余って銀行強盗を決行。盗んだ金を堀部や田中の妻に送り、ヤクザに借金を返済すると、残った金を持って美幸と共に旅に出るのだった。だが、そんな西をヤクザたちは利子が足りないと言って執拗に追いかけてきた。妻との残り少ない時間を誰にも邪魔されたくない。西は、追ってきたヤクザたちを次々に殺害していく。やがて、後輩の刑事の中村が西の身を案じて駆けつけてきた。しかし、西は彼にもう少し時間をくれと頼む。静かな砂浜、妻をそっと抱き寄せた西は、自ら自分たちの人生に幕を引く。
情熱的なアイルランド人のジェリーと相思相愛の仲で結ばれ、NYで幸せな日々を送っていたホリー。ところが、脳腫瘍に冒されたジェリーは、ある日あっけなくこの世を去り、悲しみに暮れたホリーは、以後すっかり引きこもりの状態に陥ることに。ところが、彼女の30歳の誕生日に、意外な品がホリーのもとに届く。それはなんと、亡き夫からの贈り物だった。その後も、彼からのラブレターが定期的に届いて、ホリーは励まされる。
白血病の青年と看護に雇われた女性の愛の軌跡を描くドラマ。監督は「フラットライナーズ」のジョエル・シューマカー。製作はアカデミー賞女優のサリー・フィールドとケヴィン・マコーミック。原作はマーティ・ラインバックの一人称視点の小説で、脚本はリチャード・フリーデンバーグ。撮影は「ネイキッド・タンゴ」のスペイン出身のファン・ルイス・アンシア。音楽はジェームズ・ニュートン・ハワードが担当。
小さな田舎町に住むジョージは凡庸だが人柄が良く人気者だった。だがある日突然不思議な力を得たことで周囲の人間に疎外され……。突然天才になってしまった男の運命を静かに綴った切ない物語。
ジョージは町へ出るといつも、若い女の胸のふくらみやお尻のでっぱりに絶えまない視線を走らせていた。そして上から下までじっくりと観察した後、採点をする。彼の採点は辛口だった。あのミロのヴィーナスでさえも彼に言わせれば、かろうじて7点。そんな彼がある日、信号待ちの交差点でなんと10点満点の美女に出会ってしまう。