アメリカを代表する作家ポール・オースターが書き下ろした原作を基に、男たちの中に隠された哀しいロマンティシズムを描いた都会の物語。14年間毎朝同じ時刻に店の前で写真を撮り続けている煙草屋の店長オーギー、彼の馴染みの客で突然の事故により出産まもない妻を失って以来ペンを持てずにいる作家のポール、彼が車に跳ねられそうになった所を助けた黒人少年ラシードの3人を軸に、ブルックリンのとある煙草屋に集まる男達女達の日常を、過去と現在を、嘘と本当を巧みに交差させながら進んでゆく。

複雑な親子の幸せ探しを描き、多くの映画祭で高く評価されたハートフル・ストーリー。女性になる手術を控えた性同一性障害のブリーフと、彼を父とは知らず一緒に旅することになった息子・ブリーフのふれあいを描く。

1930年代、ジャズ全盛期のシカゴ。ジプシージャズの天才ギタリストのエメット・レイは、崇拝するギタリストジャンゴ・ラインハルトの演奏が世界一で、自分は2番目に天才だと信じている。そんな彼は音楽に生きる反面、裏社会でも顔が通じ、娼婦の元締め、女遊び好きと自堕落な人生を送ってきた。 彼はニュージャージー州の海辺で友人ビルとの賭けに負け、仕方なくナンパした小柄で口のきけない女性ハッティと付き合うようになる。エメットの弾くギターに心惹かれたハッティは彼を愛すようになり、はじめは遊びのつもりだったエメットも辛くあたりつつも、素朴で優しい彼女に惹かれていく。 しかし、上流階級の女性ブランチに出会い惹かれた彼はハッティと別れ突然結婚するが、2人の共通点は派手好きなところ位で愛には乏しく、ブランチはいつしかジャズクラブの用心棒アルと不倫するようになっていった。

ルイ・マル監督のデビュー作「死刑台のエレベーター」に続く第2作。再びジャンヌ・モローを主演に迎え、若き人妻の情熱的な一夜の不倫愛を描く。新聞社主のアンリと結婚生活8年になる妻ジャンヌ。2人の間には娘もいたが、ジャンヌは閉塞的な日常に息苦しさを覚え、パリの旧友マギーの許を定期的に訪ねては憂さを晴らす日々。そしてそのパリ行きは、いつしか愛人ラウールとの密会へと目的を変えていく。ある日、夫にパリ行きを反対されたジャンヌは、逆にマギーとラウールをカップルと偽り屋敷に招くハメに。そんな時、ジャンヌはひょんなことから考古学者の青年ベルナールと出会い、彼も晩餐の席を共にすることになるのだったが…。

イギリス、ノース・ヨークシャー州のスカーバラ、シャイなローラは、優しかった父親の亡き後、ほとんど口を利かなくなり、毎日部屋にこもって父親が残したレコードを聴いて過ごしていた。口うるさい母親のマリーはそんなローラをLV(リトル・ヴォイス)と呼び、彼女を苦々しく思っていた。ある日、マリーの新しいボーイフレンドのレイ・セイが二人の家を訪れる。レイはプロモーターで、LVがジュディ・ガーランドやシャーリー・バッシーなどをそっくりに歌えることに気づき、なんとか舞台に上げて一儲けしようと計画する。