砂漠の真ん中に聳え立つ孤城に、ひとりの王が住んでいた。その名も、国王シャルル5+3+8=16世。わがままで疑心暗鬼の王は、手元のスイッチ一つで、気に障る臣下を次々に「処分」していった。 望みさえすれば、なにものでも手に入れることが出来るはずの王シャルルは、ひとりの美しい羊飼い娘に片思いをしている。 城の最上階に隠された秘密の部屋の壁に掛かった一枚の絵の中にその娘はいて、隣合わせた額縁の中の煙突掃除屋の少年と深く愛し合っていた。 嫉妬に狂う王を後に、ふたりは絵の中から抜け出し、一羽のふしぎな鳥の助けを借りて城からの脱出を試みる。