ソウルの市内で小さな写真館を経営しているジョンウォンは難病で余命わずかの独身青年。本人も家族も、残された日々を明るく過ごそうとととするが、時折言いようのない哀しみに襲われる。そんなある日、ジョンウォンの店に交通警官のタリムが急ぎの現像を頼みにやって来た。それから毎日のように訪れるタリムと他愛のないおしゃべりを楽しむジョンウォン。ふたりは次第に心引かれていくが、思いを伝えぬままジョンウォンが入院する日がやってきた。

初夏の鎌倉。ゴムボートのオールを操る宮坂六月。大学のホテル学科を出た六月は、海辺のリゾートホテルで支配人になることを夢見て働いている。脇で体を丸めて眠っている高校生の弟・林太郎は東京で、ノーパン喫茶で働く優子とリッチな生活をしていた。