ビルマにいた日本軍は、国境を越えてタイへ敗走しようとしていた。水島上等兵は現地の斥候に変装し、井上隊長が率いる小隊を国境近くまで移動させていた。しかし国境近くで日本の敗戦を知った彼らは、武器を捨て、南のムドンへ送られることとなる。水島だけは米軍の要請により、いまだに抵抗し続ける日本軍の説得に向かうため、隊を離れた。水島が行方知れずとなったある日、井上小隊は水島によく似たビルマの僧侶とすれ違う。

映像製作会社社長・立花源也は、かつて一世を風靡した大女優・藤原千代子の半生を振り返るドキュメンタリー制作を依頼された。千代子の大ファンだった立花は若いカメラマンを引き連れ、30年前に人気絶頂の中、忽然と姿を消し、以来公の場に現われなかった千代子の屋敷へ向かった。ようやく姿を現した千代子は、歳は老いても昔の清純な印象を残していた。そして、戸惑いながらも自らの人生を語り始めた。それは、女優になる前、女学生の頃に恋した名も知らぬ男性を、生涯をかけて追い求める壮大なラブ・ストーリーだった。

「Helpless」の青山真治監督が、バスジャック事件で心に傷を負った人々の再生への旅を描いた人間ドラマ。2000年・第53回カンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞を受賞した。九州の地方都市でバスジャック事件が発生し、多くの乗客が殺害された。生き残ったのは運転手の沢井と、中学生の直樹と小学生の梢の兄妹だけで、3人は心に深い傷を負う。2年後、家族を置いて消息を絶っていた沢井が町に戻ってくる。時を同じくして周辺で連続殺人事件が発生し、沢井に疑いの目が向けられる。そんな中、兄妹が2人だけで暮らしていることを知った沢井は、彼らの自宅を訪ね一緒に暮らし始める。さらに兄妹の従兄・秋彦も加わり、4人は沢井の運転するバスで旅に出るが……。沢井を役所広司、直樹と梢を実際の兄妹である宮崎将と宮崎あおいが演じた。2022年3月に青山真治監督が他界したことを受け、同年5月に追悼上映としてデジタル・マスター完全版を劇場公開。

ゴジラシリーズ第25作。「ミレニアムシリーズ」第3作。平成ガメラシリーズの金子修介を監督に迎え、ゴジラを「太平洋戦争で亡くなった人々の怨念の集合体」という新解釈で描く。日本へ上陸したゴジラを防衛軍が撃退して半世紀が経とうとした頃、一隻の原子力潜水艦がグアム島沖で巨大な生物と遭遇し消息を絶つ。防衛軍はこれをゴジラであると推察、その出現を警戒する。その頃、日本各地で次々と怪事件が勃発、調査に向かった報道陣は謎の老人に遭遇し、“護国三聖獣”の存在を知らされる。ついにゴジラが日本に上陸。それに呼応するかのように聖獣たちも目を覚ますのであった。

2017年、日本。ある特異体質を持った新人類「亜人」の存在が発覚した。亜人の姿は人そのもの。ただ、絶対に死ぬことはできず、どれほど傷つこうともその体は絶命と共に再生を始める。死の状況に直面し、初めて真実を知る亜人たちはそれまで自分で気づく事もなければ、他人に知られる事もない。病気の妹を救うために研修医となった永井圭はある日、事故で死亡。しかし直後、肉体が復活し、生き返る。亜人と発覚し、描いていた人生が崩れ去った圭。警察や国家に追われ続けやがて厚生労働省の研究施設に監禁。非人道的な実験のモルモットとなってしまう。そんな圭の前に突如亜人を名乗る【佐藤】という謎の男が現れ、圭に救いの手を差し伸べる。佐藤は、国内で初めて発見された亜人にして人類に牙をむくテロリストだった。「亜人として、どう生きればいい?」自分の運命に葛藤する圭は、佐藤が描く亜人の未来に共感できないでいた。そして始まる、佐藤による衝撃の国獲りゲーム。【絶対に死なない男】VS【絶対に死なない男】の決して交わらない、そして終わることもない、エンドレス・リピート・バトル。亜人たちは、永遠の命を、どう生きるのか。

時は槐暦元年。素乾国の皇帝が死に、新皇帝の妃候補が全国から集められることになった。緒陀県に住む14歳の田舎娘、銀河は妃の住む後宮を「勉強ができ、三食昼寝つきの楽しいところ」と思い、妃候補に志願。ものおじしない銀河は女大学での講義を優秀な成績でおさめ、見事正妃の座を射止めた。ところが折悪しく反乱軍の暴動が起こり、銀河は後宮軍を組織して反乱軍に立ち向かうことになる。

江戸末期。宇宙からやって来た天人(あまんと)の台頭と廃刀令により、侍は衰退の一途をたどっていた。かつては攘夷志士として天人と最後まで戦い、“白夜叉”と恐れられた銀時もかぶき町の便利屋“万事屋銀ちゃん”をのんきに営む毎日。そんな彼のもとに、かつての同志だった桂が消息不明になり、高杉が挙兵して幕府の転覆をたくらんでいるという情報が。銀時は万事屋メンバーの新八や神楽とともに事態の調査に乗り出す。

北海道・函館で暮らす14歳の少女あかりの家の庭に、ある日、前足の片方だけが靴下を履いたように白いゴールデン・レトリバーの子犬が迷い込んでくる。その子犬に“ソックス”と名前をつけたあかりに、母は犬を飼うときは犬と「10の約束」をしなければならないと教える。

西暦2346年新都市ヨコハマ──想像を絶するクライマックスがあなたを襲う!生き残るため人口抑制政策をとる新都市ヨコハマを舞台に支配者とレジスタンスとの戦いを描くアクション・エンタテインメント!3強初対決シリーズ遂にファイナル!

幕府献上の五万両強奪事件を追って、ひばりの御存知阿部川町お七と痛快呑んべ浪人が大活躍。絢爛の七変化に唄と笑いとスリルを織り込んで繰り展げる娯楽興趣篇。 唄も踊りも捕物も日本一と噂の阿部川町のお七が、吉例舞踏祭りの舞台で「鷺娘」を踊って楽屋に帰ってきたところで、料亭の用心棒に身をやつした佐々木兵馬が酔った姿で訪れた。お七はその姿を案じて兵馬の帰参を兄の伊予守に願ったところ逆に意見され、翌日藤田屋に兵馬を尋ねたら、三鈴という娘が兵馬の世話になっていることを知る。その夜、見回りに出たお七は女スリお花の殺しの現場に出くわし、死体のそばで太田藩の刻印が彫られた小判を拾う。一方、兵馬も藤田屋を探る覆面の侍を不審に思い切り結んだら、三鈴はその侍は大田藩江戸屋敷詰の佐久間健之進だと告げる。三鈴は大田藩の御用金宰領役の奥田十兵衛の娘で、先日起きた大田藩御用金一万両の強奪に対する責を追って捕らわれた父の罪を晴らすべく、唯一の手がかりである印籠を手に、一味を探っていたのだ。そして、十兵衛の切腹は四日後の朝に行われるという。お七はお花の恋人であった稲妻の三次を見つけて小判の出所を聞きだそうとすると、三次はお花の相棒である女スリお島のところへ案内する。だがそこにはお島の姿はなく、猿若座の座付き役者中村新之丞の手ぬぐいがおかれているだけであった。そして、神田祭の祭礼の留守中に、三鈴は黒覆面の一団にさらわれてしまった。一団が向かった荒れ寺に忍び込んだお七は、仕掛けられた落とし穴に落ちてしまい、そこに「ながさき」の血文字と櫓巴の絵を書き残して死んでいる三次を見つける…。