ロシアのネット犯罪最前線を追う。迷惑行為、荒らしを行う“ネットトロール”による選挙工作とロシア政府の関わり。「ハッカー被害額が大きいのはロシア人が犯人の事件」だといわれる通り、小国の国家予算並みの金額を盗んだ男の証言などを収録。ハッカー被害は他にも電気通信システムや病院の機器をダウンさせ、ときに人命さえも奪う。掲示板でのドラッグ取引も活発なロシア。あるプラットフォームの利用者は300万人にも達する。若者がサイバー犯罪に走る理由は、国全体の停滞だ。社会的進歩がなく先が見えないロシアでも、ドラッグやカード詐欺は簡単に稼げるという実情がある。ロシアでは今、誰もがネットで何かを生み出そうとしているのだ。