カナダ人のジェフ・フックスは台湾を旅行中にお茶と出会い、その奥深さの虜になった。茶葉のルーツと言われる中国雲南省を訪ね、お茶の文化を探求。しかしそこで感じたのは、コーヒー文化の流入とともに衰退していくお茶文化だった。ジェフはお茶の交易路「茶馬古道」を辿る旅で、ヒマラヤに根付くお茶文化を記録に残そうとする。2006年、シャングリラからチベットのラサへ、10年後にはネパールのアッパー・ムスタン、カトマンドゥを訪ねた。ジェフは歴史の陰に埋もれていた交易商人たちの記憶に光を当てる。ヒマラヤの歴史の中で重要な役割を果たしていたお茶の交易。厳しくも美しい自然環境の中で育まれた“旅するお茶”のロマンを感じてほしい。