かつて教師をしていたドーラは、今はリオデジャネイロの中央駅で代筆業を営んでいる。字の書けない人のために手紙を書くのが彼女の仕事だが、次第に何の感情も持たないようになり、その手紙を実際に出すことはほとんどなくなっていた。
小さい頃から空想の世界が一番の遊び場だったアメリ。22歳になった今でも、モンマルトルのカフェで働き、周りの人々を観察しては想像力を膨らませて楽しんでいた。そして、あることをきっかけに、他の人を幸せにすることに喜びを見出したアメリ。他人の人生にこっそりおジャマしてはたのしい悪戯を仕掛け、人知れずお節介を焼いて回るのだった。そんなアメリも自分の幸せにはまったく無頓着。ある日、不思議な青年ニノに出会ったアメリはたちまち恋に落ちてしまうのだったが、アメリは自分の気持ちを素直にうち明けることが出来ない……。
1950年。第二次世界大戦の終結による満州国の崩壊と国共内戦の終結により、共産主義国である中華人民共和国の一都市となったハルビン駅の構内。5年間にわたるソビエト連邦での抑留を解かれ、中華人民共和国に送還された「戦犯」達がごった返す中で、列から外れた1人の男が洗面所で自殺を試みる。男は監視人の手により一命を取り留めるものの、薄れ行く意識の中で幼い日々の頃を思い出していた。この男こそ清朝最後の皇帝にして満州国の皇帝、「ラスト・エンペラー」と呼ばれた愛新覚羅溥儀その人であった。
アルコール中毒によって入院し、その間に死につりつかれた男・アラン。命を絶つ日を7月23日と決めた彼は、旧友たちのもとを訪ねて歩く。平穏な、あるいは退廃的な生活を送る彼らと出会い、会話を重ねても、アランの心には何も変化が起こらなかった。
ある嵐の夜、イタリアの漁船が洋上に漂う意識不明の若い男を発見する。引き上げられたその男の背中には弾痕があり、皮下にはマイクロカプセルが埋め込まれ、それにはスイスの銀行の口座番号が印されていた。男はなんとか息を吹き返すが、記憶を失っており、自分の名前も分からない状態だった。数週間後、彼は身元の唯一の手掛かりであるスイスの銀行に向かう。その貸金庫にはジェイソン・ボーン名義を含め6ヵ国のパスポートや大金、そして拳銃が入っていた。やがて暗殺者たちに狙われ始めた彼は、偶然出会ったマリーの協力を得てパリへと向かうのだった。
自分を暗殺者に仕立てあげたCIAの極秘プロジェクト、“トレッドストーン計画”などに関する取材を進めていた新聞記者ロスとロンドンで接触しようとしたボーン。しかし、CIAの現地要員に監視されていたロスは、若い暗殺者に狙撃されてしまう。
1920年代、大恐慌前のニューヨーク。人気ショーガールのローレライとドロシーは、正反対の性格だが親友同士だった。お金持ちとの結婚を夢見るローレライは、富豪の御曹司ガスと結婚式を挙げるため、豪華客船でパリへ向かうことに。しかしガスの父親が2人の結婚に猛反対し、ガスは船に乗れなくなってしまう。しっかり者のドロシーをお目付け役に、船に乗り込むローレライだったが…。
初めてパリを訪れたおてんば少女のザジ。楽しみにしていたメトロはストライキで乗れず、代わりにエッフェル塔や蚤の市で、大人を巻き込んでの騒動を繰り広げる……。名匠ルイ・マルのスラップスティック・コメディ。
公開当時本国フランスで大ヒットとなり日本でも話題となった、ソフィー・マルソー主演の淡いラブ・ストーリー。10月のパリ。新学期に沸くリセエンヌたちにまじって、ビックの胸は不安と期待で高鳴っていた。彼女は13歳。心は恋への憧れでいっぱいだったが、同級生のペネロプみたいに男の子と寝たことはまだない。そんなある日、彼女にとって初めてのパーティの夜がやってきた。
鬼才R・アルトマンが撮った、パリ・コレクションに纏わる人間模様を描いた内幕もの。パリのプレタポルテ協会の会長オリヴィエは、ある日郵便で派手なネクタイを受け取る。そこには、それを身に着けて出掛けてほしいというメモが一緒に添えられていた。一方、空港ではショーに関わる有名無名の様々な人々が次々と降り立ち賑わいを見せていた。そんな中、空港にやって来たオリヴィエは、自分と同じ柄のネクタイをしているセルゲイと出会う……。