香港映画界の鬼才、ウォン・カーウァイ監督が男同士の切ない愛を描いた恋愛ドラマ。惹かれ合いながらも、傷つける事しかできない男と男の刹那的な愛を綴ってゆく。徹底的に突き放した視点で彼等を捉える事で、より深い感情の揺れ動きを捉える手腕は流石。またアルゼンチンの雄大な自然美や、アストル・ピアソラの切ないメロディが映画を効果的に彩る。トニー・レオン、レスリーチャン共演。南米アルゼンチンへとやってきた、ウィンとファイ。幾度となく別れを繰り返してきた2人は、ここでも些細な諍いを繰り返し別れてしまう。そして、ファイが働くタンゴ・バーで再会を果たすが...。

藤原拓海はとうふ屋を営む父の文太と二人暮らし。友人の樹と一緒にガソリンスタンドでアルバイトをしている普通の高校生だが、毎日、父のハチロク(AE86トレノ)で峠道の配達することで凄いドラテクを身につけていた。文太は伝説の走り屋で拓海は無意識に父の英才教育を受けていたのだ。ある日、チーム「妙義ナイトキッズ」のリーダー、中里毅がガソリンスタンドにやってきた。樹はバトルに挑むがあえなく惨敗。その晩、中里は峠で信じられないドラテクのハチロクに遭遇する。一方、拓海は、幼なじみのなつきから海へデートに誘われ、喜びを隠し切れないが、なつきは影でベンツに乗った男と援助交際していた。

1865年京都。新選組は新たに隊士を募集し多くの志願者が集まる中、一際異彩を放つ美少年がいた。加納惣三郎と名乗るその青年は剣豪・沖田総司をも手こずらせる程の剣の腕の持ち主だった。そして、もう一人、加納と双璧をなす程の剣の腕の持ち主・田代彪蔵の二人が入隊を許可された。しかし、この二人の入隊によって新選組内部の空気は少しずつ変わっていくことになる。田代は衆道(男色)の気を持つ男であり、惣三郎を衆道に引きずり込もうとしていた。そんな中、惣三郎に密かに想いを寄せていた隊士・湯沢藤次郎が何者かによって惨殺される。土方は湯沢の恋敵であった人間が斬ったのではないかと疑い始める。

総督の60歳の誕生日を祝う宴会でにぎわうチーフォン家。そこに、総督の息子、シャオレイが現れ、歓談していた客人を追い払ってしまう。怒る父親にシャオレイは「人面桃蜂党がやってくる」と告げる。15年前、総督によって退治された盗賊団、人面桃蜂党の首領の娘、ディンが、殺された両親の復讐のために街に戻ってきたのだ。シャオレイは、自分の子をお腹に宿した恋人チェンチェンに対してわざと冷たく振る舞い、彼女が家を出ていくよう仕向ける一方、自分はすでに決死の覚悟を決めていた。そしてその晩、冷酷無比な人面桃蜂党が現れる。チーフォン家は皆殺しにされるが、シャオレイだけは一命を取り留める。そして彼は信頼する友と一緒にいるはずにチェンチェンを追いかけて旅に出ることに。その道中シャオレイは、思いも寄らない陰謀、愛、裏切りに出会うことになる…。 ロー・ウェイ監督に見込まれたジャッキー・チェンが現在と同じ成龍という芸名となってから3本目の主演作で、シリアスな物語と力強いカンフーシーンが印象的な時代劇。武侠映画の巨匠監督キン・フー作品でお馴染みの名女優シュー・フォンが、ジャッキー扮する主人公に愛憎を抱く無敵の女剣士を見事に演じ、作品に風格を与えている。