妻とその愛人を射殺したかどでショーシャンク刑務所送りとなった銀行家アンディ。初めは戸惑っていたが、やがて彼は自ら持つ不思議な魅力ですさんだ受刑者達の心を掴んでゆく。そして20年の歳月が流れた時、彼は冤罪を晴らす重要な証拠をつかむ。

生きる意味を見失った19歳のハロルドは、狂言自殺をしては周囲の驚く反応を見て楽しんでいた。ある日、ハロルドは79歳の老婦人、モードと出会う。生きることを楽しむモードを愛するようになったハロルドは、モードと結婚することを決意。幸せ絶頂のハロルドとモードだった。

 フランス、ヌーヴェル・ヴァーグの決定打と言わしめたジャン=リュック・ゴダール監督の最高傑作。警官を殺してパリに逃げて来た自転車泥棒のミシェルは、アメリカ人の恋人パトリシアとお互い自由で束縛のない関係を楽しんでいた。そんなある日、彼の元に警察の手が及んでくる。パトリシアはミシェルの愛を確かめる為、彼の居場所を警察に密告、そして彼にも同様に警察が追ってきた事を伝えるが……。

地球という星の、ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという5つの都市で、5人のタクシー・ドライバーが乗客を乗せた。同じ夜にそれぞれに繰り広げられる5つの物語。本作はジャームッシュの作品に共通して見られる奇妙な可笑しさ、卓越したセンスが冴える会話に加え、背景に広がる空しさに満ちた荒涼感は健在であり、その独自の雰囲気で好き嫌いがハッキリと二分される彼の作品にしては割りと門戸が広く、様々な人が楽しめる作品に仕上がっている。特に、ニューヨークが舞台の話と、ロベルト・ベニーニ主演によるパリの話がお勧め。

1950年代のロンドン。唯一無二のデザインと職人技術で、英国の高級婦人ファッション界の中心に君臨する仕立て屋のレイノルズ。彼は郊外にある「ハウス・オブ・ウッドコック」で姉のシリルと共に、毎日完璧に仕事をこなしていた。ある日、レイノルズは立ち寄ったレストランで、若きウェイトレス アルマと出会う。会った瞬間に一目惚れをして、彼女を新たなミューズに迎えることになる。アルマの体に触れ、採寸をしていくレイノルズは、とても美しいと彼女の“完璧な身体”を愛した。しかし、若く情熱的なアルマの出現により、完璧で規律的だったレイノルズの日常は思わぬ方向へと進んでいく。

セシルの純潔を汚させようするメルトイユ侯爵夫人の計画と、それを実行するバルモン子爵……。18世紀のフランス革命前夜、貴族社交界を舞台に繰り広げられた快楽と退廃の人間模様を描いた、88年アメリカ作品。

1962年、カリフォルニア北部の小さな田舎町を舞台に、ハイスクールを卒業し東部の大学へ出発しようとする若者たちの、最後の一夜を描いた愛すべき名編。スティーヴ(今や一線級監督のロン・ハワード)とカート(「JAWS/ジョーズ」以前のリチャード・ドレイファス)は故郷での最後の夜を楽しく過ごそうと、テリー(「アンタッチャブル」のチャールズ・M・スミス)とビッグ・ジョン(ポール・ル・マット)を誘い町に繰り出す。暴走族の仲間に入らされたり、酒を買おうと四苦八苦したり、マセた女の子にせまられたりという数々のエピソードが、当時のヒット・ナンバーに乗せて軽やかに描かれるが、やがてそれぞれの決意を秘めた朝がやって来る……。今や定番と化した感のある、懐メロ青春群像モノの原点であり最高峰、後の青春映画に与えた影響は大きい。

古くからの伝統が根付くフランスの小さな村に、ある日謎めいた母娘がやってきてチョコレート・ショップを開店する。厳格なこの村に似つかわしくないチョコだったが、母ヴィアンヌの客の好みにあったチョコを見分ける魔法のような力で、村人たちはチョコの虜になってしまう。やがて村の雰囲気も明るく開放的なものになっていく。

新生児を含む3児の母であるマーロは、兄から夜のベビーシッターをプレゼントされる。最初は躊躇していたが、思慮深く、意外性があり、時に挑戦的なタリーというナニーとすぐに絆を深めていく。

シカゴに住む建築家のサムは癌で妻を亡くし一人息子のジョナと共にシアトルに越してきたが、ジョナは、父親のために新しい奥さんが必要だと思いラジオ局の相談番組に電話をする。同じ頃、ボルチモアに住む新聞記者のアニーは、婚約者ウォルターを伴って実家のクリスマス・パーティに出席した帰途に偶然聞いた、そのラジオ番組で、サムが切々と語る亡き妻の思い出にアニーは思わず涙する。