安永二年十月五日、日蝕の最中に二人の男児が誕生した。御三卿の一ツ橋刑部卿・治済の嫡子・豊千代と、越後の国のとある貧しい農家に生まれた角助である。やがて、学問好きの豊千代は次期将軍に決定。一方、角助は無類の女好きに成長した。そんなある日、十一代将軍就任を目前にした豊千代が、不慮の災難に遭遇。それを知った女鼠小僧は、民百姓を苦しめる幕府を懲らしめようと、豊千代と瓜二つの角助を身代わり将軍に仕立て上げる。こうして将軍の座を手に入れた角助は、持ち前の好色を発揮して昼夜構わず大奥通いを始めるのだった。

湯煙りたなびく真良田温泉。ここは子供が欲しい女は湯につかればたちまち子宝にめぐまれ、ナニがどうも…という男はあっという間にビンビンのビン!というありがたい効果があるという温泉郷だ。しかし、旅館・泉水館の女将銀子にはなぜか子どもが生まれない。子宝の湯の女将が子供が出来ないのではこの温泉に傷がつく、泉水館の女将は三年以内に子どもが出来ないと旅館を去らなければならない鉄則があり、三年目を迎えた銀子に町中の話題が集まっていた。一方、好色な主人の金三は、周囲の騒ぎをよそに、女の尻を追いまわしている。その金三がこれから芸者になるという小百合と知り合い、たちまち夢中になってしまう。その頃、ひとり風呂に入っていた銀子に、かってから彼女に同情していた板前の辰夫が近づき、いつしか二人は結ばれた…。