マンハッタンの豪邸に住み、高級車を乗り回し、おまけにハンサム。完璧な人生を謳歌する出版界の若き実力者デヴィッド・エイムス。ジュリーという美しい恋人もいて、何不自由ないはずが、どこか物足りなさを感じていた。そんなある日、デヴィッドは親友の恋人ソフィアに一目惚れしてしまう。しかし、デヴィッドの心変わりを敏感に察したジュリーは、嫉妬に駆られて自ら運転する車でデヴィッドとともに崖に突っ込んでしまう。奇跡的に一命を取りとめたデヴィッドだったが、その顔は怪我のために見るも無惨に変わり果ててしまう。

三上於菟吉の同名時代小説を、伊藤大輔と衣笠貞之助が脚色、和田夏十がシナリオ化し、市川崑がメガホンをとった。1935年版に主演した長谷川一夫が、再び中村雪之丞と闇太郎の二役を演じた。その他、山本富士子や若尾文子、市川雷蔵、勝新太郎など豪華な出演者が顔をそろえた。長谷川一夫300本記念作品。  江戸で興行を張る上方歌舞伎の女形役者・中村雪之丞は、父を冤罪で陥れ自死に至らしめた土部三斎と広海屋の姿を認めた。三斎の娘の浪路は雪之丞に恋をし、雪之丞は彼女を利用して父の仇を討とうとする。江戸の飢饉に乗じて米を買い占めていた川口屋は、雪之丞にそそのかされた広海屋に邪魔され破産、広海屋に放火した。怒った広海屋は川口屋を絞め殺すが、誘拐しようとした浪路に刺されてしまう。

キャサリン(ジュリアン・ムーア)は産婦人科医として成功し、大学教授の夫(リーアム・ニーソン)と息子(マックス・シエリオット)と平穏に暮らしていた。だが、ある日彼女は夫と教え子の浮気を疑い始め、何も手につかなくなる。彼女は偶然出会った美ぼうの娼婦(しょうふ)クロエ(アマンダ・セイフライド)に夫を誘惑してほしいともちかけ……。 『秘密のかけら』など独自の愛の世界を探求する鬼才、アトム・エゴヤン監督による官能サスペンス。何不自由ない生活を送りながら、夫の浮気疑惑によって自らを破滅へと追い込んでいく女性の悲しいさがを描き切る。孤独にさいなまれる主人公を体当たりで演じるのは、『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーア。魔性の娼婦(しょうふ)を、『ジュリエットからの手紙』のアマンダ・セイフライドが熱演する。2人の美女が織り成す危うい関係にゾクゾクする。

ネヴィル・シュートの終末SFの古典『渚にて』は59年にグレゴリー・ペック主演で映画化されたが、今回は舞台となるオーストラリアの製作で長編TVムービーとしてリメイクされた。21世紀初頭、アメリカと中国の間で起きた核戦争は北半球を壊滅しただけでなく、残る南半球にも放射能の脅威を残した。唯一生き延びた米原潜の一行は最後の楽園となったオーストラリアに上陸するが、再び出航の命令が下る。北半球のどこかから正体不明のメールが送られてきたのだ。だが、万に一つの可能性を求めて北上する彼らの前には、忌むべき核の戦禍が広がっていた……。

ある夜、プリンストン大学で教諭をする地球外生物学者、ヘレン・ベンソン博士の自宅にアメリカ政府のエージェントが突然やってきた。強制的にある非常事態への協力を求められたヘレンは1年前に他界した夫の連れ子であるジェイコブを隣人に預け、あわただしく公用車に乗り込む。すでに政府は軍を総動員出動させ警戒態勢を敷き、町は異様なまでに静まり返っていた。政府がヘレンのほかに核物理学・天文学・地質学などの権威を招集したのは、木星の外側で観測された謎の物体への対策を講じるためだった。小惑星と思われるその物体は想定外の進路を信じがたい速度で移動し、マンハッタンへと迫っているのだった。