ジェームズ(ルーク・トレッダウェイ)はギターを手に、ストリートミュージシャンとして日銭を稼いでいた。ドラッグ更生プログラムの最中のある日、彼はヘロインを摂取して病院に搬送される。退院後、彼が更生担当者ヴァル(ジョアンヌ・フロガット)が用意してくれた部屋に入居すると、どこからか茶トラの猫(ボブ)が迷い込む。ジェームズは、猫の飼い主を捜そうとしたが、見付けることができなかった。
脚本家チャーリー・カウフマンは「マルコヴィッチの穴」の成功で、一躍次回作を期待される存在となった。そんな彼のもとにある日、仕事の依頼が舞い込んでくる。それは、作家スーザン・オーリアンがフロリダで蘭を不法採集した栽培家ジョン・ラロシュを描いたノンフィクション『蘭に魅せられた男』の脚色。だが、チャーリーはさっそく作業を始めるものの、全然アイデアがまとまらず悶々とした日々が続く。一方、彼とは対照的に陽気な双子の弟ドナルドも脚本家めざして養成セミナーに通い始め、あっという間に脚本家デビューを果たす…。
近未来。郊外に住むマーティン家は家事用ロボット、NDR114号を購入した。アンドリューと名付けられた彼は、幼いリトル・ミスと友達になり、彼女から人間について学んだ。やがてリトル・ミスは成長し、結婚して子供も生まれたが、アンドリューとの交流は続いていた。いつしか人間のようになりたいと願うようになっていたアンドリューは自由を求めて旅に出た。そして、友人となった発明家のルパートからロボットが人間に近づける可能性を知った。かくしてアンドリューは大切な人となっていたリトル・ミスの孫娘ポーシャと同じように生きたいという切ない想いから、人間になる決心をするのだった。
アスリートのダイアナ・ナイアドは、60歳にして諦めかけていた生涯の夢を実現しようと決意。それは、キューバからフロリダまで、160キロもの外洋を泳いで渡るという壮大な挑戦だった。
1960年代、長野県松本市。秋津高校3年の亮介は登校途中に一匹の黒い野良犬を見つけ、自分の弁当をその犬に分け与えてやった。その頃、亮介のクラスでは、生徒同士が学園祭の出し物に使う犬の作り物を壊してしまったことで揉めていた。そんなところへ亮介が駆けつけた時、生徒たちは彼に着いてきた黒犬の佇まいを見て閃く。果たしてこの本物の犬は作り物の代役に起用され、出し物は黒犬の活躍で盛況に終わる。これによって一躍学校の人気者となったこの犬はクロと名付けられ、校舎内に居つくようになるのだった。
第2次世界大戦末期、ドイツの敗色が日増しに濃くなる中で誰よりも祖国を愛するがゆえに非人道的な悪行を重ねるナチス総統ヒトラーに絶望し、一刻も早く何とかせねばと憂慮を募らせていたシュタウフェンベルク陸軍大佐は、ある大胆不敵な計画を思い付く。それはドイツ国内で有事の際に反乱勢力を鎮圧するという“ワルキューレ作戦”を巧みに利用してヒトラーを暗殺し、ナチスの政権を転覆させて実権を掌握するというものだった。
小説家志望のジャーナリスト、ダンはある日ロンドンの街中で、ニューヨークからやって来たばかりの若いストリッパー、アリスと出会う。恋に落ちた2人は間もなく同棲を始める。1年半後、ついに処女小説の出版が決まったダンは、訪れた撮影スタジオでフォトグラファーのアンナに一目惚れしてしまう。彼女もダンに惹かれていたが、アリスとの同棲を知って身を引くことに。半年後、“アンナ”になりすましチャットでいたずらをするダン。ニセの“アンナ”につられて、水族館のデートに現われた医師ラリーだったが、彼は偶然そこで本物のアンナと出逢う…。
宇宙飛行士スペンサーとアレックスは、シャトルの船外作業中の事故から奇跡的に生還する。だが地球に戻った矢先、アレックスが変死、妻ナタリーも自殺する事件が起こった。スペンサーの妻ジリアンは、元NASA局員と名乗る調査員シャーマンと接触、宇宙で連絡の途絶えた空白の2分に不審な点があること、そしてナタリーが双子を妊娠していたことを知り戦慄する。彼女もまた、夫の帰還後に双子を身ごもっていたのだ。