江戸時代末期。武士の娘に生まれ育ちながら、訳あって今は父親の松村源兵衛と貧乏長屋で暮らす娘のおきく。どしゃ降り雨の日、彼女は、とある寺の軒先で雨宿りをして、紙くず拾いの中次、そして下肥買いの矢亮という2人の青年と偶然隣り合わせ、それをきっかけに3人は次第に仲良くなる。そんなある日、おきくは、元勘定方である父・源兵衛を狙った刺客に斬りつけられ、かろうじて命は助かったものの、声を出せなくなってしまう。