学校でも家庭でも問題児となっていた8歳のイシャーン。勉強が苦手な彼は代わりに空想が好きだった。近所の年上の男の子を取っ組み合いの喧嘩をしたイシャーンは、父親に次に問題を起こしたら寄宿学校に入れると言われてしまう。 すこぶる悪い点数のテストを両親に見せられずサインをもらえなかった彼は、授業をサボってしまう。欠席届を出さないといけなかったため、兄のヨハンに書いてもらう。しかしある日、その欠席届が父に見つかってしまう。約束を守れなかったイシャーンに対して激怒した父は、友人のコネを使いすぐにイシャーンを寄宿学校に転校させる。 学校にはいままでよりさらに厳しい先生たちがいたうえ、家族に会えない寂しさが募り、イシャーンにとって非常に辛い環境だった。とうとう完全にふさぎこんでしまうイシャーンだったが、ちょうどその時、臨時で新しい美術の先生ニクンブ が赴任してくる。 ニクンブはイシャーンの様子を見て、彼は失読症であることを見抜くが…。

世界的にその名を知られる黒人医師ジョン(ポワチエ)はハワイで知り合った白人女性ジョーイ(C・ホートン)と人種の壁を越えて結婚を誓い合い、互いの両親の許しを得るためサンフランシスコのドレイトン家を訪れる。最初戸惑っていた母も、娘の喜ぶ様子を見て次第に祝福する気になるが、父マットの心境は複雑だ。

東京の郊外に引っ越してきたばかりのサラリーマン一家の日常を、やんちゃな息子兄弟の視線を通じて皮肉とユーモアたっぷりに見つめ、そこに浮き彫りとなる序列社会の仕組みを痛切に描写。上司のご機嫌取りに走るしがないサラリーマンの悲哀を、斎藤達雄が絶妙の味で好演する一方、子役の突貫小僧も愉快な演技を存分に披露。名匠・小津安二郎監督の初期を代表する傑作サイレント映画に仕上がった。なお、クレジット表記の原作のゼェームス槙は、小津の変名。 小学生の息子兄弟、妻とともに、一家で東京の郊外に引っ越してきたサラリーマンの吉井。早速彼は近くに住む会社の専務宅へご機嫌取りのあいさつに出向く一方、息子兄弟は近所のガキ大将たちと子ども同士で覇権争いを繰り広げ、どこのうちの父ちゃんが一番偉いか言い争う。そんなある日、専務の家でホームムービーの上映会が催され、上司のごますりでおどけたピエロ役に徹する父親の姿を目の当たりにした兄弟は、思わず愕然とする。

1969年、自らを“ゾディアック”と名乗る男による殺人が頻発し、ゾディアックは事件の詳細を書いた手紙を新聞社に送りつけてくる。手紙を受け取ったサンフランシスコ・クロニクル紙の記者ポール(ロバート・ダウニーJr)、同僚の風刺漫画家ロバート(ジェイク・ギレンホール)は事件に並々ならぬ関心を寄せるが……。<アメリカ犯罪史上最も危うい連続殺人鬼と言われる“ゾディアック・キラー”を題材にした話題作。ゾディアックに関わり、人生を狂わされた4人の男たちの姿を描く。監督は『セブン』のデビッド・フィンチャー。『ブロークバック・マウンテン』のジェイク・ギレンホールが、事件の謎を追い続ける風刺漫画家を演じる。徹底したリサーチを基に練り上げられたサスペンスとしても、4人の男たちの生き様をリアルにつづった人間ドラマとしても楽しめる。>

アメリカで、同性愛者であることをカミングアウトして公職に就いた初めての人物、ハーヴィー・ミルク。波乱万丈の短い人生を送った彼の、最後の8年間に何があったのかを、ガス・ヴァン・サント監督が描き出す。

サンフランシスコのとある街、失業した俳優、ダニエル・ヒラードは、3人の子どもが自分の全てというほどの、子煩悩な父親。しかし収入のない夫に代わって一家の家計を担っているやり手デザイナーの妻ミランダは、自分が連日疲れきって帰宅しても家事に全く協力せず子供達との遊びにかまけている夫や、自分だけが仕事に家事にと追われている事に強いストレスを感じていた。 長男クリスの誕生日、ミランダの留守中に自宅でパーティを開き、大騒ぎを起こしたダニエルは、堪忍袋の緒が切れたミランダからとうとう離婚の意思を告げられる。生活能力のないダニエルは養育権を奪われ、週一度限られた時間にしか子どもたちに会えなくなった。やがてミランダが仕事の忙しさで家政婦を募集していることを知ったダニエルは一計を案じ、メイクアップアーティストの兄の手を借りて、イギリスの老婦人ミセス・ダウトファイアにすっかり変身する。持ち前の演技力と女装で見事にミランダを騙し、家政婦として最愛の子供たちのそばにいられることになるが、それは同時にこれまで家事全般を省みた事のないダニエルの、抱腹絶倒の奮闘記の幕開けであった。

北欧のとある町を舞台に様々な人間の日常を描いたブラック・コメディ。

地上135階、シスコにそびえ立つ超高層ビル“グラス・タワー”落成式の日。規格外の製品を使ったために起きた出火はやがて巨大な炎となり、最上階に何百人も閉じ込めたままビルを飲み込む。

交通事故で昏睡状態となり、生死の境をさまよううちに幽霊となってしまった女性医師エリザベス。彼女が住んでいたマンションは貸しに出され、そこにデヴィッドという男性が入居する。彼は妻に先立たれ、傷心のうちに越してきたのだった。ところがエリザベスは自分が幽霊になっていることに気づいておらず、新たな住人となったデヴィッドを追い出そうとする。デヴィッドも想定外の事態に戸惑うが、何も覚えていないエリザベスのため、一緒に彼女の素性を探っていく。