「ベトナムから遠く離れて」など、主に記録映画を活動の場としヌーヴェル・ヴァーグの中でも特異な位置を占める作家C・マルケルが全編スチール・カットで撮った中編SF映画の佳作。人類が絶滅した未来からその原因となった出来事を探るため過去にタイムトラベルした男は一人の女性と知り合う。何故か見覚えのあるその女性と行動を共にするうち、彼は幼いころ飛行場で彼女を見たことを思い出す。二人はやがて全ての出来事の根源となる飛行場へとたどり着くのだが……。
小太りの眼鏡っ子、オリーヴの夢は美少女コンテストで優勝すること。地方予選で繰り上げ優勝した彼女は、独自の成功論に取りつかれる父リチャードや母のシェリル、自殺を図ったゲイの伯父フランクらと車で決勝大会の会場を目指す。
19世紀の半ば、スコットランドからニュージーランドへ写真結婚で嫁ぐエイダ。旅のお供は娘のフロラと一台のピアノ。エイダは6歳の時から口がきけず、ピアノが彼女の言葉だった。夫のスチュアートはそのピアノを重すぎると浜辺に置き去りにし、原住民に同化している男ベインズの土地と交換してしまう。ベインズはエイダに“ピアノ・レッスン”をしてくれればピアノを返すというが……。
ニューヨークに暮らすビリー(オークワフィナ)と家族は、癌で余命3ヶ月と宣告された祖母ナイナイ(チャオ・シュウチェン)に会うために中国へ帰郷する。ナイナイは自分の病のことを知らされておらず、ビリーの家族はそれを本人に悟られないように、集まる口実として、いとこの結婚式をでっちあげる。真実を伝えるべきだと訴えるビリーだったが、悲しませたくないと家族は反対する。葛藤の中で過ごす数日間、うまくいかない人生に悩んでいたビリーは、逆にナイナイから生きる力を受け取るのだった。やがて、ビリーは、中国に残ってナイナイの世話をしたいと母に相談するが、誰も喜ばないと止められてしまう。ビリーは、幼い頃、ナイナイと離れて知らない土地へ渡り、いかに寂しく不安だったかを涙ながらに母に訴える。やがて、結婚式当日。嘘を隠しながら、無事に式を終えようとする家族や親戚一同。だが、いくつものハプニングが彼らを待ち受けていた……。