デヴィッド・リンチ監督による衝撃的なサイコ・スリラー。妻レネエと平凡な生活を送る、サックス奏者のフレッド。ところがある日、ディック・ロランドは死んだ、と誰かがインターフォンで謎のメッセージを告げた。やがて一本のビデオ・テープが届く。そこには、妻をバラバラに切り刻む彼の姿が写っていた……。

D・クローンネンバーグがセックスをテーマに取り上げ、カンヌ映画祭でその評価が賛否真っ二つに別れた問題作。CFプロデューサーのジェームス・バラードと妻のキャサリンはある日、出張で空港へ向かう途中ハイウェイ上で正面衝突事故を起こす。相手のドライバーは死亡。助手席に乗っていた女性ヘレンはジェームスと共に病院に担ぎ込まれる。やがて回復した2人だったが、彼らは事故の衝撃を通して思わぬ性的興奮を感じていた。そんな中、事故の体験により新しいエクスタシーを開拓した人々がいる事を知った彼らは、次第にその世界にのめり込んでゆく……。

フロリダ。高校の人気教師サムが、教え子のケリーからレイプされたと訴えられ、裁判が開かれることに。だがケリーのクラスメイトのスージーの証言によって事件はケリーの狂言だと暴露され、サムが多額の慰謝料を手にして裁判は終結する。それに不審を抱いた刑事デュケは再捜査に乗り出すが、実はサムはケリーやスージーと裏で手を組んでいたのだった。しかも事態は、その後も意外な方向に突き進んでいく。

恋愛カウンセラーでありながら、夫ロブ(ラファエル・バーカー)とのセックスでオーガズムを味わったことがないソフィア(リー・スックイン)。ある日、彼女はカウンセリングを受けに来たカップル、ジェイムズ(ポール・ドーソン)とジェイミー(PJ・デボーイ)の紹介で、ブルックリンにあるサロン“ショートバス”に足を踏み入れる。

キャンドルライトが闇の中から湧き出た様に浮び、周囲の闇は深い拒絶を示している。女歌手の唄声……。人気のないナイトクラブで秘やかに祝杯があげられる。革命軍「四季協会」の秋軍団が首都総攻撃を期し、米軍基地襲撃、武器奪取作戦を敢行するのだ。全裸の秋と十月が抱き合う。激しく秋を攻める十月。恍惚のさなかで誓い合う革命天使二人。闘いの始まり。首都をもやしつくそうとする炎が、今、その炎の手を上げようとしている。基地への突入隊は十月組隊長以下月曜から日曜までの八名の兵士。その半数が戦死し、リーダーの十月は弾薬の爆発で目を負傷する。別動隊の九月組は姿を見せず、女指揮官秋が現われ、アジトへの待機を指令する。過大の犠牲を払い手に入れた爆弾兵器は、冬軍団二月組によってクラブの歌手である金曜日の部屋から徴収され、金曜日と月曜日はすまじいまでのリンチにたたきのめされてしまう。秋軍団の解散式。十月は来ない。じれる秋の背に金曜日の歌が突きささる。秋が絶叫する。本気で孤立出来る奴、自分の身体だけで闘える奴、個的な闘いを個的に闘える本気の奴らが十月組なんだ!孤立した精鋭こそが世界を換える。世界を創る。十月!私は今飛ぶわ、あなたと、あなた達と!秋におそいかかる数人の男たち、血か飛翔する。大爆発。月曜日が爆弾をかかえ野分けのように走る。金曜日が駆けめぐる。一本の華麗な火柱、十月の兵士の壮絶な爆死。爆弾を背負った土曜日が、そして盲目のリーダー十月が風景の中へ溶け込んでゆく。あとは、静かな戦場の風景が、風に吹かれているだけである。