生きる意味を見失った19歳のハロルドは、狂言自殺をしては周囲の驚く反応を見て楽しんでいた。ある日、ハロルドは79歳の老婦人、モードと出会う。生きることを楽しむモードを愛するようになったハロルドは、モードと結婚することを決意。幸せ絶頂のハロルドとモードだった。

「セイ・エニシング」「ザ・エージェント」のキャメロン・クロウ監督が自身の体験を基に、ブレイク寸前のロックバンドのツアーの同行取材を任された15歳の少年の姿を描いた青春音楽ムービー。15歳の少年ウィリアムは伝説的なロック・ライターに自分の記事が気に入られ、ローリングストーン誌の仕事をもらう。さっそく取材で楽屋を訪れた彼は、グルーピーの中にいたペニー・レインに一目惚れする。

幼なじみのフリオとテノッチは17歳の高校生。溢れるエネルギーを持て余し気味の二人が考えることといえばセックスのことばかり。ところが、肝心のガールフレンドたちは旅行に出かけてしまい、せっかくの夏を何をするでもなく過ごしていた。そんなある日、親戚の結婚式で二人は年上の女性ルイサと知り合う。彼女をドライブに誘うためダメもとで“天国の口”という在りもしないビーチの名を口にする二人。ところが、数日後、夫の浮気を知ったルイサはテノッチに一緒にドライブ旅行に行くと告げる。慌てる二人だったが、チャンスとばかりルイサを連れアテのない旅に出るのだった……。

出生時に37秒間呼吸ができなかったために、手足が自由に動かない身体になってしまった女性の自己発見と成長を描き、第69回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で観客賞とCICAEアートシネマ賞を受賞した人間ドラマ。脳性麻痺の貴田夢馬(ユマ)は、異常なほどに過保護な母親のもとで車椅子生活を送りながら、漫画家のゴーストライターとして空想の世界を描き続けていた。自立するためアダルト漫画の執筆を望むユマだったが、リアルな性体験がないと良い漫画は描けないと言われてしまう。ユマの新しい友人で障がい者専門の娼婦である舞は、ユマに外の世界を見せる。しかし、それを知ったユマの母親が激怒してしまい……。主人公のユマと同じく出生時に数秒間呼吸が止まったことによる脳性麻痺を抱えながらも社会福祉士として活動していた佳山明が、オーディションで見いだされ主演に抜てき。母親役を神野三鈴、主人公の挑戦を支えるヘルパー・俊哉役を大東駿介、友人・舞役を渡辺真起子がそれぞれ演じる。ロサンゼルスを拠点に活動するHIKARI監督の長編デビュー作。

ポーランドのダンチッヒを舞台に、3歳で自らの成長を止めた少年オスカルの視点で、1927年から1945年の激動の時代を描いた異色の大力作。ブリキの太鼓を叩き、奇声を発しガラスを割るという不思議な力も身につけたオスカル、従兄との不倫を続ける母、臆病者の父、画面は時代が産んだ奇異なキャラクターとグロテスクな描写に溢れ、その毒気たるや凄まじいばかりのものである。

短大の卒業を控え、日々就職活動に追われている一人暮らしの彼女。そんな彼女の飼い猫である“僕”は、ひたむきに頑張る彼女に寄り添い、ささやかながら安らぎの時間を分かち合っている。様々なことに悩み、傷つき、挫けそうになっても、いつも凛とした姿で扉を開け外の世界へと踏み出していく彼女。“僕”はそんな彼女のことが大好きで、いつまでも見守り続けたいと思っていた。