かつてツオル帝国は圧倒的な力でアカファ王国に侵攻したが、 突如発生した謎の病・黒狼熱(ミッツァル)によって帝国軍は撤退を余儀なくされた。 以降、二国は緩やかな併合関係を保っていたが、アカファ王国はウィルスを身体に宿す山犬を使って ミッツァルを再び大量発生させることで反乱を企てていた。 ミッツァルが国中で猛威を振るう中、山犬の襲撃を生き延びたヴァンは身寄りのない少女ユナと旅に出るが、 その身に病への抗体を持つ者として、治療薬開発を阻止したいアカファ王国が放った暗殺者サエから命を狙われることになる。 一方、治療薬を作るためヴァンの血を求める医師のホッサルも懸命にヴァンを探していた―― 。 様々な思惑と陰謀が交錯した時、運命が動き始める。

西暦120年、名将アクイラ率いるローマ帝国最強の第九軍団の兵士5000名がカレドニアへと侵攻。しかし、同軍団は霧の中で忽然と姿を消し、再び故国へ戻ることはなかった…。それから20年後、アクイラの息子マーカスは、ローマ軍の立派な武将に成長したものの、戦闘中に重傷を負い、軍人生命を絶たれてしまう。絶望に沈む中、ある噂を聞き込んだ彼は、父と軍団の名誉を回復すべく、北の荒野へ向けて危険な旅に出発する。