F・ベーデキントの同名戯曲の映画化で、ハリウッドからドイツに渡ったL・ブルックスに、その役名から“ルル”の愛称を与えた、官能的なメロドラマである。 場末の踊り子であるルルは養父シゴルヒの手練で新聞社社主のシェーン博士の愛人となり、一流の劇場に出るようになり、別れ話を切り出す彼を逆に手玉にとり、結婚を承諾させる。彼には年ごろの息子で秘書のアルヴァがいたが、ルルは親子の仲を引き裂くのを楽しむかのように息子をも誘惑する。彼女の激しい男出入りに更にその決定的事実を知ったシェーンは、ルルを殺して自分も死ぬ--と迫るが、もみ合った末、彼女に撃たれる。しかし、一旦は捕らわれた彼女は養父やアルヴァの手引きで裁判中に逃亡を図り、愛人の力業師ロドリゴの紹介で港町の賭博船で享楽のうちに過ごすが、ロドリゴが売った彼女を求める持ち主との間で争いが起こり、ルルに養父、アルヴァの三人はロンドンに密入国する。スラムでの極貧生活にルルは夜の女となる決意をし、部屋に男を入れ、その間、男二人は表で過ごす。その優男が、評判の切り裂きジャックだとは知らず……。
美しいキャプレット家の世継ぎジュリエットは、舞踏会でロミオに出会い夢中になる。だが、ロミオはキャプレット家の宿敵、モンタギュー家の息子だった。 二人は密かに永遠の 愛を誓い結婚式を挙げるが、ロミオは逃亡生活を、ジュリエットは両親にパリスとの結婚を強いられる。ロミオと一緒に暮らすため、危険を承知でジュリエットは神父の計画に命を懸けた……。
『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』のマーティン・ブレスト監督が、34年の名作『明日なき抱擁』をブラッド・ピット主演でリメイクしたファンタスティックラブストーリー。 N.Y.のメディア会社「パリッシュ・コミュニケーション」の社長ウィリアム(ビル)・パリッシュ(アンソニー・ホプキンス)は、ある夜どこからともなく響いてくる声を聞いた。次の日、ビルは愛娘のスーザン(クレア・フォーラニ)とその恋人ドリュー(ジェイク・ウェバー)と共にヘリで仕事に向かっていた。ビルの「恋人を愛しているか?」との問いに、素っ気無い反応をする娘にビルは話す。「愛は情熱だ。その経験のない人生は意味のないものだ」と。そして、その日スーザンは仕事場近くのコーヒーショップで一人の青年と出会う。最近この街に越してきた、という青年の気さくな態度に好感をもつスーザン。その夜、家族と共に食卓を囲んでいたビルの脳裏にまた同じ声が聞こえてくる。「私に会えるよ・・・ビル」。声に導かれるまま来客を招き入れるとスーザンがコーヒーショップで出会った青年が居た。以前から体調のすぐれないビルが心の中で問いかけていた「死期が近いのか」の言葉に青年は「イエス」と答えた。彼は青年の体を借りた死神だった。人間の生活に興味をもった死神が、ビルを連れて行く前に彼に案内を頼みにきたのだ。家族への説明に困ったビルは、青年をジョー・ブラック(ブラッド・ピット)だと紹介する。出会った時と印象の違うジョーを見て初めは困惑していたスーザンだったが、次第に彼の不思議な魅力に惹かれていく。父親のいう“情熱”を確かに感じていたのだ。
マンハッタンのウエスト・サイド。イタリア系の若者からなるジェット団と、プエルトリコ系の若者からなるシャーク団は不良グループ同士、町で顔を合わせればにらみあうという一触即発の関係だ。しかし、ジェット団のリーダー、リフの親友であるトニーは、シャーク団のリーダーであるベルナルドの妹、マリアと出会って、互いに一目惚れしてしまう。やがてリフとベルナルドがけんかした末、ひとりが命を落としてしまう事件がおこる。
ミュージシャンとして大成することを夢見ている野心家のロジャーは、恋人の死によって精神的に打ちひしがれていた。そんな中、階下に住んでいるエキゾチックな雰囲気が魅力的なダンサーのミミに心惹かれ始めたロジャーは、彼女との新しい恋に踏み出せずに悩んでいた。
ハンフリー・ボガードが出演した1955年の傑作コメディをリメイクした作品。今ではすっかり名優となったロバート・デ・ニーロとショーン・ペンの若さ溢れる演技が楽しい。