小学生の美津子は実の父親・剛三に犯され続けていた。しかし、それが忌むべき近親相姦と自覚することはなく、ただ心だけが壊れていく。妻・小百合は、そんな夫と娘の関係に激しい嫉妬覚え、娘への虐待を繰り返す――。一方、倒錯したエロスの世界を描く車イスの人気女流作家・三ッ沢妙子。新たに担当となった編集者・田宮雄二はそんな妙子に気に入られるのだが…。
ヘンリーは、服役中に知り合ったオーティスと共同生活をしながら、表向きは害虫駆除の仕事を坦々とこなす日々を過ごしていた。しかし、殺人への渇望は充たされることはなく、あたかもそれが日課のようなに殺人を繰り返していたのだった。やがてヘンリーの”狂気”はオーティスをも引き込んで、凶行はさらにエスカレートして行く。そしてある日、オーティスの妹ベッキーが彼らの生活に加わり、これをきっかけにしてヘンリーとオーティスの関係は均衡が次第に崩れ始めるのだった。
「ティン・カップ」という愛称を持つ、プロゴルファーのロイ。彼はゴルフの素晴らしい才能を持っていたが、大胆な賭けを望むその性格が災いして、現在は地位も財産も失い、落ちぶれた生活を送っていた。そんな彼の前に精神科医のモリーが現れる。知的な彼女に一目惚れしてしまったロイは、彼女を振り向かせるために、再び立ち上がる決意をする。