旧約聖書のヤコブの話をヒントに、悪夢と現実の間で翻弄されていくベトナム帰りの男の奇妙な体験を描いたサスペンス・スリラー。ニューヨークの郵便局員であるジェイコブは最近夢と現実の区別がつかなくなるほど奇妙な出来事に遭遇していた。疾走する地下鉄に乗る得体の知れない人々。掛かりつけの医者の死亡。自分を轢き殺そうとした車に乗る異様な人物。そしてベトナムの悪夢や幻覚までもが見え始め……。そんな時、ベトナム時代の戦友から電話がかかってくる……。
字廻組の組員・南は兄貴分の尾崎に生涯の忠誠を誓っていたが尾崎の言動がおかしくなった。狂いつつある尾崎に恐怖を感じた字廻は、南に尾崎を殺して死体を名古屋にあるヤクザの処理場で始末するよう命令する。悩みながら名古屋へ出発した南は、事故で尾崎を殺してしまう。ところが、途方に暮れて立ち寄った喫茶店でほんの少し目を離した間に、車中の尾崎の死体が消えてしまう。
マンハッタンの豪邸に住み、高級車を乗り回し、おまけにハンサム。完璧な人生を謳歌する出版界の若き実力者デヴィッド・エイムス。ジュリーという美しい恋人もいて、何不自由ないはずが、どこか物足りなさを感じていた。そんなある日、デヴィッドは親友の恋人ソフィアに一目惚れしてしまう。しかし、デヴィッドの心変わりを敏感に察したジュリーは、嫉妬に駆られて自ら運転する車でデヴィッドとともに崖に突っ込んでしまう。奇跡的に一命を取りとめたデヴィッドだったが、その顔は怪我のために見るも無惨に変わり果ててしまう。
ローズとクリストファーは、娘・シャロンの奇妙な言動に悩んでいた。ローズは、しばしば情緒不安定に陥り、何かに取り憑かれたかのように「サイレントヒル…」と謎のうめき声を発する娘に心を痛め、サイレントヒルという街が実在することを知り、治療のためにシャロンを連れてそこを訪ねることにする。しかし、サイレントヒルは30年前の大火によって多数の人々が死亡した忌まわしい場所であり、今では誰も近付かない廃墟と化した街であった。途中、女児誘拐犯と勘違いされて女性警官に追われるものの、二人とも帰り道が突如切れ無くなった街に取り残され、シャロンも後部座席から消えており、捜索、他の住人への聞き取りなど進めていくが不思議な現象に巻き込まれてゆく。
ジョージア州の小さな町。夫を亡くした占い師のアニーは、人の運命を見抜く特殊な能力を持っていた。ある日、彼女は息子が通う学校の教師・ウェインと婚約者・ジェシカの結婚生活を占うことに。だが、アニーはその占いで恐ろしい幻想を見てしまう。
ワーカホリックの夫婦、スーザン(ブランチャード・ライアン)とダニエル(ダニエル・トラヴィス)は、7ヶ月も予定を延期してようやく取れたバカンで、カリブ海に向かう。ダイビングを楽しむスーザンとダニエル。精神的に開放されたふたりは、この貴重なひとときを満喫する。しかし、ダニエルがウツボに見入っている間、海上のボートでは、今、まさに彼らが体験する最も怖い悲劇の序章が始まっていた。ふたりが満足して海面にあがってきた時、すでにスタッフの単純なミスで全員が乗ったと思い込み、ボートは彼らを残して岸に向かって去っていた。取り残されたふたりは、お互いに相手のせいだと文句を言いながらも、まだ助けが来るものだと思っていた。次第に彼らは気付く。足は届かない。360度、岸は見えない。叫びは誰にも届かない。助けは来ない。酸素ボンベは残りわずか。ふたりが自分たちの置かれた事態をようやく呑み込んだその時、無数の鮫が現れた……。
クライヴ・バーカー原作による「血の本」シリーズ第2弾。心に深刻なダメージを持つ被験者をインタビュー・撮影し、恐怖心理の根源を探る3人の大学生。だが自らも心に傷を持つ彼らの実験はどんどんエスカレートし、禁断の領域へと足を踏み入れていく。
新型の深海潜水器具をテストしていた女性海洋生物学者のオリーブは、科学的好奇心から船上でモニターするスタッフの制止を聞かず、潜水服の限界を超えてさらに深くへ降下した。だが、その矢先彼女はタコのような触手を持った巨大な生き物に襲われ、意識を失ってしまう。無謀な探索と事故の責任を問われて解雇されたオリーブだったが、壊れた潜水具に付着していた奇妙な卵を見つけた彼女は、それをひそかに持ち帰る。