イタリア、ナポリに浮かぶ小さな島に、チリ政府に追われた世界的詩人パブロ・ネルーダが亡命し、滞在することとなった。彼だけに郵便を届ける配達人となった村の貧しい青年マリオは、ネルーダとの交流の中で、少しずつ詩の世界に触れ、恋を知るのだった。美しい風景の中で切ない愛と友情を描く感動作。

逆境の中にあってもたくましく生きていく女性の姿を、「イゴールの約束」のダルデンヌ兄弟が描いた作品。キャンプ場のトレーラーハウスで酒浸りの母と暮らす少女ロゼッタ。ある日、彼女は理由もなく職場をクビになってしまう。ロゼッタは厳しい社会の現実にぶつかりながらも必死で新しい仕事を探しつづけるのだが……。99年のカンヌ映画祭でパルムドールと主演女優賞を受賞。

19世紀のデンマークの小島を舞台に、スウェーデンからの移民親子の可酷な体験と少年の成長を描く。製作はペア・ホルスト、マーティン・アナセン・ネクセの原作『勝利者ペレ』の〈幼年時代〉を基に、監督・脚本は本作品が日本公開第一作になるビレ・アウグスト、撮影は「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」のヨルゲン・ペルソン、音楽はステファン・ニルソンが担当。出演はマックス・フォン・シドー、ペレ・ヴェネゴーほか。88年カンヌ映画祭グランプリ、89年アカデミー賞外国語映画賞受賞作。

ピュリッツァー賞を受賞したベスト・セラーをアラン・パーカーが映画化。30年代のアイルランド、貧しい時代の生きた少年フランクの実話に世界中の人が涙。

1986年、フロリダ。ヒッチハイクをしながら売春する毎日に疲れ果てたアイリーンだが、ある少女と運命的に出会う。相手のセルビーは同性愛者で、家族や社会からつまはじきにされ、アイリーン同様、絶望と疎外感を募らせていた。2人は意気投合し、どこかで一緒に暮らそうと決心。やがてアイリーンは売春業を再開するようになるが、ある客に森の奥へ連れ込まれて暴力をふるわれた彼女は反撃した結果、相手を殺してしまう。

中年男に体を売って生活するマイクは、緊張すると昏睡状態に陥るナルコレプシー病を持つ。一方スコットは良家のボンボンながら、家出をしていた。そんな二人がマイクの母親探しの旅に出る。