京都の美大に通う高寿は、いつも通りに大学へ向かう電車の中で愛美と出会い、ひと目見た瞬間、恋に落ちる。勇気を振り絞って声を掛け、また会う約束を取り付けようとした高寿だったが、それを聞いた彼女は突然涙してしまう。愛美のこの時の涙の理由を知る由もない高寿だが、不器用な自分を受け入れてくれた彼女にますます惹かれていく。そして初めてのデートで告白した高寿は、OKをくれた彼女との交際をスタートさせる。

京都。冴えない毎日を過ごす大学生の青年“先輩”は、後輩の“黒髪の乙女”に想いを寄せるが、生来の奥手で気持ちを直接伝えることなどできず、「なるべく彼女の目にとまる作戦」=ナカメ作戦なる回りくどい計画でむなしく彼女の気を惹こうとしていた。そんな彼の気も知らず、天真爛漫な“乙女”は、好奇心の向くまま夜の先斗町を歩き回っては珍妙な人や事件に遭遇し、彼女を追う先輩もまた、さまざまな騒動に巻き込まれていく。

中学校最後の試合中に、自分の意思に反して矢を早く放ってしまう「早気」になった鳴宮湊は、弓道をやめることを決意。しかし風舞高校に進学後、コーチの滝川雅貴と運命的な出会いを果たし、弓道部に入部する。雅貴はコーチを務めながらも、自身の師匠に対する憎しみの感情をぬぐえずにいた。一方、湊の親友の竹早静弥は、湊にはもう自分は不要な存在だと思い始める。

キャサリン(ジュリアン・ムーア)は産婦人科医として成功し、大学教授の夫(リーアム・ニーソン)と息子(マックス・シエリオット)と平穏に暮らしていた。だが、ある日彼女は夫と教え子の浮気を疑い始め、何も手につかなくなる。彼女は偶然出会った美ぼうの娼婦(しょうふ)クロエ(アマンダ・セイフライド)に夫を誘惑してほしいともちかけ……。 『秘密のかけら』など独自の愛の世界を探求する鬼才、アトム・エゴヤン監督による官能サスペンス。何不自由ない生活を送りながら、夫の浮気疑惑によって自らを破滅へと追い込んでいく女性の悲しいさがを描き切る。孤独にさいなまれる主人公を体当たりで演じるのは、『キッズ・オールライト』のジュリアン・ムーア。魔性の娼婦(しょうふ)を、『ジュリエットからの手紙』のアマンダ・セイフライドが熱演する。2人の美女が織り成す危うい関係にゾクゾクする。