ナショナル・シューズの権藤専務は、自分の息子と間違えられて運転手の息子が誘拐され、身代金3千万円を要求される。苦悩の末、権藤は運転手のために全財産を投げ出して3千万円を用意する。無事子どもは取り戻したが、犯人は巧みに金を奪い逃走してしまい、権藤自身は会社を追われてしまう……。

国境の町に拡がる陰謀を描いたW・マスターソンのミステリ小説を、O・ウェルズが脚色・監督したフィルム・ノワールの傑作。 メキシコ国境の小さな町で起こった車の爆殺事件。偶然にも現場を目撃したメキシコ政府の特別犯罪調査官ヴァルガスは事件の捜査に乗り出すが、アメリカ側の担当者であるクインラン警部はヴァルガスの介入を露骨に拒否。だが上司の命令で、クインランはやむなくヴァルガスと共同捜査を開始する……。

名優ジェームズ・キャグニーの狂気的な演技が光るギャング・アクションの傑作。ラオール・ウォルシュ監督の名演出で、ギャング映画やフィルムノワールの古典となった作品。 冷酷非情なコーディ・ジャレット率いるギャング団は、列車強盗に成功し大金をせしめる。だが、警察の捜査から逃れるため、コーディはやむを得ず自らも軽犯罪で自首して刑務所に服役することに。しかし、彼を追う財務省は、潜入捜査官のハンクを囚人に仕立て刑務所へ送り、コーディに近づける。そんな中、妻バーナと部下のエドの裏切りで、最愛の母親が殺害されたことを知ったコーディは、ハンクを連れて刑務所を脱獄するが…。

“FEAR AND DESIRE”(52)に続くスタンリー・キューブリックの長編第2作で、商業映画としてはデビュー作にあたる。うらぶれたボクサーが、向かいのアパートに住む女を情夫の手から救い出そうとするというだけの物語だが、低予算の中で凝りまくった映像と、しがない男女のふれあいが切なく描かれている小品である。

監察ににらまれる中、陰謀に巻き込まれて崖っぷちの汚職刑事。だが、事件の鍵を握る少女と出会い、その反抗的な態度に手を焼きつつも2人で真相を追い始める。