暗殺された王位継承権第一位のエドワード王子の葬儀が執り行われる中、アルビオン王国の貴族たちは王位継承権第二位のメアリー王女、同三位のアーカム公・リチャード王子のどちらが王位を継ぐか、ノルマンディー公がどう動くのか、という話題で持ち切りだ。 アーカム公はプリンセスに、自分とノルマンディー公どちら側につくか問う。あらゆる民族が平等になる世界へと修正することを願いながらも、エドワード暗殺の黒幕であるアーカム公に、プリンセスは心が揺れる。そんな中、共和国のコントロールから王室の情勢を探るべく、アンジェとドロシーにメアリーの侍女として潜入任務が下る。王位継承権第一位となった重圧に押しつぶされ疲弊するメアリー。混沌とする王位継承の行方、アーカム公の陰謀がついに動き出す―。 アルビオン王国に蠢く闇が、チーム白鳩を呑み込んでいく――。

江戸時代末期。武士の娘に生まれ育ちながら、訳あって今は父親の松村源兵衛と貧乏長屋で暮らす娘のおきく。どしゃ降り雨の日、彼女は、とある寺の軒先で雨宿りをして、紙くず拾いの中次、そして下肥買いの矢亮という2人の青年と偶然隣り合わせ、それをきっかけに3人は次第に仲良くなる。そんなある日、おきくは、元勘定方である父・源兵衛を狙った刺客に斬りつけられ、かろうじて命は助かったものの、声を出せなくなってしまう。