監獄の中、雑居房のひとつで、1人の少年が渾身の力を込め、1人の青年の首を絞めた。犯行を発見した看守たちに取り押さえられた少年は「ぼくがやりました!」と叫び続ける。この殺人事件を捜査し始める、警部(石橋蓮司)と警部補(遠藤憲一)。加害者と思われる少年は有吉淳(松田龍平)。ゲイバーで働いていた有吉は、男客から性的暴行を受けたことから逆上し殺害に及ぶ。被害者の青年は香月史郎(安藤政信)。幼い頃から様々な罪を犯し、最終的には路上で人を殴り殺した。偶然にも有吉と香月は同日に、この刑務所に投獄されている。誰にも心を開かない有吉と、気に入らないとだれかれ構わず殴り倒してゆく凶暴な香月。正反対のタイプにも関わらず、香月は有吉を守り、2人の間には濃密で暖かい空気が流れていた。そして、捜査線上に浮かび上がるもう1人の男。それはこの刑務所の新所長(石橋凌)。ぞっとするような笑みをたたえながら、恐ろしく優しい口調で話しかけるこの所長は、かつて自分の妻を香月に暴行され、結果妻は自殺するという壮絶な過去を持っていた。誰が真実を告げているのか? そして、「ぼくがやりました!」と叫び続ける有吉の真意とは……。

愛妻のカナ、3歳の息子とともに幸福な日々を送っていた、平凡なサラリーマンの谷口。ところがある日、スキンヘッドの謎の男性2人組が、街で買い物をしていた彼ら一家を突如襲撃。2人組は、彼の息子を拉致誘拐しようとして谷口をすっかり翻弄。どうにかその場では息子を無事取り戻したものの、その後またしても姿を現わした2人組に今度は谷口自身が誘拐され、奇妙な人体実験を施された彼は次第に鋼鉄製の人間銃器と化していく。