「ブレイド2」「ヘルボーイ」のギレルモ・デル・トロ監督が「デビルズ・バックボーン」に続いて再びスペイン内戦を背景に描く哀切のダーク・ファンタジー。再婚した母に連れられ、山中でレジスタンス掃討の指揮をとる冷酷な義父のもとへとやって来た空想好きの少女は、やがて残酷な現実世界から逃避し森の中の不思議な迷宮へと迷い込んでいくが…。イマジネーションあふれるヴィジュアルと深いテーマ性が高く評価され、いわゆるジャンル映画でありながら数々の映画賞を席巻する活躍で大きな注目を集めた話題作。  1944年のスペイン。内戦終結後もフランコ政権の圧政に反発する人々がゲリラ闘争を繰り広げる山間部。内戦で父を亡くした少女オフェリアは、臨月の母カルメンと共にこの山奥へとやって来る。この地でゲリラの鎮圧にあたるビダル将軍と母が再婚したのだった。冷酷で残忍な義父に恐怖と憎しみを募らせるオフェリア。その夜、彼女は昆虫の姿をした不思議な妖精に導かれ、謎めいた迷宮へと足を踏み入れる。そこでオフェリアを出迎えたパン<牧神>は、彼女が地底の魔法の国のプリンセスの生まれ変わりで、満月の夜までに3つの試練を乗り越えれば、魔法の国に帰ることが出来ると告げる。オフェリアはその言葉を信じて、与えられた3つの試練に立ち向かう決意を固めるのだったが…。

アイオワ州エンドーラ。生まれてから24年、この退屈な町を出たことがない青年ギルバートは、知的障害を持つ弟アーニー、過食症を病む250kgの母親、2人の姉妹の面倒を見ている。毎日を生きるだけで精一杯のギルバートの前に、ある日トレーラー・ハウスで祖母と旅を続ける少女ベッキーが現れる。ベッキーの出現によりギルバートの疲弊した心にも少しずつ変化が起こっていく。

ジュールとジムは、情熱的で奔放な女性カトリーヌに恋をする。ジムへの想いを胸に秘めたままジュールと結婚した彼女だが、ジムとの再会で再び二人に愛の炎が燃え上がる。しかし、小さな食い違いでジムは彼女から離れていく。ある日出かけた河岸で、カトリーヌはジムをドライブに誘い、壊れた橋に向かってスピードを上げた。 三角関係の心理を見事に描いた本作は、ジャンヌ・モローの輝くばかりの美しさが圧倒的な魅力となった一遍。

魅惑的なイリュージョンで、大衆の心をつかむ幻影師アイゼンハイム。ある日、彼の評判を聞きつけた皇太子レオポルドが、婚約者のソフィを連れて彼のショーを観覧。しかし、アイゼンハイムとソフィの間には、幼い日に身分の違いが原因で引き裂かれた過去があった。

フィラルデフィア。一方は、大会社の経営陣のひとりとして手腕を見せるエリートで金持ち青年ルイス・ウィンソープ。もう一方は、サギまがいの事をやりながら生きている貧しい黒人青年ビリー・バレンタイン。そんな彼らの知らない所で、ウィンソープの会社の会長である2人組が、ある賭けを企んでいた。この2人の環境を入れ換えるとどうなるかという賭けである。そして、何にも知らない二人はお互いの環境が入れ替わってしまう。

妻に自殺された中年アメリカ人ポールは、パリの空きアパートの一室でジャンヌという若い女性と偶然出会う。あるきっかけで衝動的な感情に駆られたポールはジャンヌの体を求め、その後2人は何事もなかったかのように別れる。ジャンヌにはTVディレクターの恋人がいたが、アパートでの出来事が忘れられず再び部屋に戻るとそこにはポールが待っていた。2人は互いの名前も知らないまま逢瀬を重ね、セックスだけの関係を続けていく。

ポルノ雑誌「ハスラー」の創刊者ラリー・フリントは、J・オナシス(ケネディ元大統領夫人)のヌード写真をスクープした号の大ヒットで、アメリカン・ドリームを手に入れる。しかし、そのスキャンダラスで不道徳な内容で、ついには猥せつ罪で起訴されてしまう。憲法修正第1条に基づく「表現の自由」を盾に、ラリーは最高裁判所に上訴するのだが・・・。

家出して以来初めて家族を夕食に招待したエイプリル。感謝祭の七面鳥を焼こうとするが、実は彼女は料理をしたことがなかった……。巧みな人物造形で描く感動作。

『ユージュアル・サスペクツ』の脚本を手がけたクリストファー・マッカリーが初監督を務めたクライム・サスペンス。ある男女が、大富豪・チダック夫妻が代理出産を依頼した女性を身代金目的で誘拐するのだが……。

寄宿学校の夏休み。14歳の多感な少女アリスは両親の待つ田舎の実家に帰省した。パパとママとの久々の再会も、今のアリスにはどこか気まずく窮屈なものでしかなかった。鏡を見ればふっくらとした豊かな胸がそこにはあった。町へ出れば男たちは大人びた自分の体に好奇の目を向けてくる。心と体の変化に戸惑うアリス。そんなある日、アリスは父の製材所で働くジムと出会い、その逞しく魅惑的な青年に惹かれていく。ジムを物陰から見つめ、彼と恋人とのキスを盗み見ては言いようのないいらだちを覚える。アリスの感情は次第に抑えようのないものとなっていき……。