幕末の庄内地方。海坂藩の御蔵役を務める井口清兵衛は、夕方に仕事を終えると同僚の酒の誘いも断り真っ直ぐ自宅に帰り、家事と内職にいそしんでいた。認知症を抱える老母と幼い2人の娘の世話、そして労咳で死んだ妻の薬代や葬儀などで嵩んだ借金を返済するためだ。日々の暮らしに追われ、次第に身なりが薄汚れていく清兵衛。同僚の中には、そんな彼を陰で「たそがれ清兵衛」と呼んで小馬鹿にする者もいた。 春、清兵衛は親友の飯沼倫之丞と再会する。倫之丞は妹の朋江が酒乱の夫・甲田豊太郎に度々暴力を振るわれるため、離縁させたことを清兵衛にうちあける。

シェンキウィッチの歴史小説を壮大なスケールで映像化した、50年代を代表するスペクタクル史劇。暴君ネロの時代、ローマ軍の大隊長マーカスは美しきクリスチャンの娘リジアに恋をする。だが二人の心はすれ違って……。

ニューヨークで知り合った婚約者もいる、成功したパリの商社マン、マックスは、海外出張直前、フランス・パリのカフェの公衆電話で、2年前に姿を消したかつての恋人、リザの声を聞く。リザの影を追うマックスは、彼女のアパートメントを突き止めるが、そこに現れたのは、リザを名乗る別の女性だった。

戦火に包まれるベトナムを舞台に、三角関係の悲痛な恋愛を描いたグレアム・グリーン原作の『おとなしいアメリカ人』の映画化。監督が『今そこにある危機』のフィリップ・ノイスだけに、スリリングな社会派サスペンスに仕上がっている。

マンハッタンの超高級マンションで暮らすアリス。体調不良を崩しチャイナタウンの怪しげな診療所でもらった薬を飲むと、いつもとは違う積極的な性格になり……。ウディ・アレン流“自分探しの旅”コメディ。

“イギリスで最も素晴らしい女性”と讃えられた作家、アイリス・マードックと夫との激しく深い愛の軌跡を描く。2002年アカデミー賞ほか世界中の映画賞に輝いた、真実のラヴ・ストーリー。

マンネリ気味の結婚生活に甘んじる出版社の編集者は、満たされぬ日々を送るなか元カレと再会。冷めてはいるが家族思いの夫と若く魅力的な元カレの間で、彼女の心は揺れ動く。

ワシントンD.C.警察に勤めるダッチはうだつのあがらない内務調査室巡査部長。ある日、妻の乗った飛行機が墜落してしまうが、乗客名簿に妻の名は無く、チャンドラーという男の妻として搭乗していたのがダッチの妻らしい。悲しみに暮れる中、事件に疑惑を抱いたダッチは単身調査を開始する。そしてチャンドラーの未亡人ケイに接触するのだが、同じ境遇に置かれた二人は互いに惹かれ合う……。