巨匠アルフォンソ・キュアロン監督が、家族愛の物語を自身の幼少時の体験を交え美しいモノクロ映像で綴った自伝的作品。政治的混乱に揺れる1970年代のメキシコで、ある家政婦と雇い主一家の絆を感情豊かに描く。
演劇学院生のイヴは車を運転しながら、友人のジョナサンの告白を聞く。彼は愛人の女優シャーロットの殺人の後始末をしようとして女中に目撃されて逃げてきたところだという。当然のように犯人扱いされた彼をイヴは海辺の別宅に住む父に匿うよう頼む。そして、シャーロットの女中を買収し、その従妹ドリスとして女優の身辺を探るイヴだったが、偶然知り合った刑事スミスが彼女に興味を持ち付きまとうので、せっかくの一人二役もバレそうになる…。
イギリスで劇作家として成功したオスカー・ワイルドは、1895年、恋人ボジーの父親の告発をきっかけに同性愛行為で有罪となり、仕事も名誉も家族も失ってしまう。2年の懲役の後、ワイルドは彼を敬愛する青年ロビーらの尽力によってフランスへ渡り、“セバスチャン・メルモス”という偽名で心機一転、出直しを図る。ボジーとは2度と会わないと誓い、妻との和解を望むワイルドだったが、訪ねてきたボジーと離れられなかった…。
庭に大きな無花果の木がある家で、家族4人が食卓を囲んでいる。父(石倉三郎)の世話を焼きながら映りの悪いテレビを叩いて直そうとする母(桃井かおり)、黙々と食事をする弟(HIROYUKI)、そんな家族の日常をカメラにおさめる娘(山田花子)。だがある日、朝帰りした父が家を出ていってしまい、一家に動揺が走る。
自ら富を築いた男は心優しい女性と結婚し、運命の人と幸せをつかんだと思っていた。ところが、彼は美しい客室乗務員に心を引かれ、妻への愛を試されてしまう。