2009年。地方にあるブレスト地域大学病院の女性医師イレーネは、自身の患者が原因不明の心臓弁膜症を発症して亡くなったことに疑問を抱き、患者が服用していたセルヴィエ社の薬“メディアトール”について調べると、これを服用して死んだ患者が他にも大勢いると気付く。イレーネはフランス医薬品安全庁に“メディアトール”の販売禁止を訴えでるが、セルヴィエ社や官庁から周囲に圧力が掛かって立場が危うくなっていく。

23歳のアンは、母親の家の裏庭にあるトレーラーハウスで失業中の夫と幼い2人の娘と暮らし、時間に追われる忙しい毎日を送っていた。だがある日、彼女は突然腹痛に襲われて病院に運ばれる。そして検査の結果、医師から余命2ヵ月の宣告を受ける。若さのせいでガンの進行が早く、すでに全身に転移してしまっていた。アンはこのことを誰にも打ち明けないと決意し、ノートに死ぬまでにしたいことを書き出していった。それはちょうど10項目になった。そしてその日から、彼女はその秘密のリストを一つずつ実行していくのだった…。