「ベトナムから遠く離れて」など、主に記録映画を活動の場としヌーヴェル・ヴァーグの中でも特異な位置を占める作家C・マルケルが全編スチール・カットで撮った中編SF映画の佳作。人類が絶滅した未来からその原因となった出来事を探るため過去にタイムトラベルした男は一人の女性と知り合う。何故か見覚えのあるその女性と行動を共にするうち、彼は幼いころ飛行場で彼女を見たことを思い出す。二人はやがて全ての出来事の根源となる飛行場へとたどり着くのだが……。
甚大な大気汚染の影響によって、外出制限令と監視システムが導入された東京。同じマンションの隣人であり恋人同士でもあるマドカとミハル。監視システムのため、2ヶ月間思うように会えない2人。そんなある日、マドカからミハルに連絡がくる。「ベランダ越しに会いに来てよ!」それに対しミハルは、「今は状況が状況だから。」と曖昧に返信してしまう。「どうして?」「だって…」と互いの感情が衝突する中、「付き合ってるって何?」とマドカから投げかけられるミハル。その言葉に突き動かされたミハルは、マドカへの思いをついに行動に移す。 大気汚染下の東京という情景を通し、Covid-19のパンデミックによる外出制限とそれよって思うように会えない恋人たちの心の葛藤を描いている。