植芝盛平は幼い頃から修業に打ち込み、早くから起倒流柔術を身につけていた。盛平は北海道に開拓団の団長として行ってからも修業を続けていたが、ある日、土木請負事業北海組の用心棒に敗れてしまう。それ以来、さらに武道を極めようと北辰一刀流の達人・奥田源蔵の元で腕を磨く。一方、警察の剣道教官を志していた源蔵は、盛平が候補に上っていることを署長から聞かされて逆上し、署長を叩っ切ってしまった。教官の口を断った盛平は獄中の源蔵に会うが、逆に罵られてしまう。やがて盛平は他流試合の旅に出るが…。

清朝末期の20世紀初頭の中国。列強各国が支配の手を伸ばそうと虎視眈々と機会をうかがう一方で、清朝政府の腐敗と退廃が進み、祖国の将来を憂う若者たちを中心に、革命の機運が各地で高まっていた。1911年3月、孫文は革命を志したものの武装蜂起に失敗して、やむなく国外へと亡命。彼の意志を引き継いだ同志・黄興が、国内にとどまって苦難に満ちた戦いを繰り広げる中、孫文は国外で革命への支援を広く呼び掛けていく。