家族とともにオランダ北部の島にバカンスにやって来た11歳の少年サム。思春期で多感な日々を送るサムは、島の少女テスと出会う。少し謎めいて快活なテスに、サムは淡い想いを寄せる。そんな折、サムはテスから秘密を打ち明けられる。彼女は死んだと教えられてきた父が生きていることをSNSで発見し、母に内緒で島に招待したのだという。父が島に来たら娘だと名乗り出るというテスの計画を手伝うことになったサムだったが……。

寺の住職の一人息子・ヒロキはカメラ好きの高校2年生。さえない毎日を送るヒロキは、隣の女子校で放課後になるとショパンの『別れの曲』を弾く少女に恋心を抱いていた。彼女を勝手に“さびしんぼう”と呼んでいたヒロキの前に、ある日、ピエロのような格好をして“さびしんぼう”と名乗る謎の女の子が現れた。