31歳にしてカンヌ国際映画祭新人監督賞やアカデミー賞にもノミネートされるというアジア映画の天才監督、トラン・アン・ユンによるベトナム映画。黒沢明を彷彿とさせる、独特の映像美学が感じられる作品だ。

女神・ベルダンディーと普通の大学生・螢一が出会って3年目の春。ふたりの前に、ベルダンディーのかつての恩師・セレスティンが現れ、彼女から螢一との記憶を奪ってしまった。更に、セレスティンは愛に傷ついた妖精姫・モルガルを使ってふたりの仲を引き裂こうと画策。実は、かつてセレスティンは新しい世界=全ての愛に障壁のない世界を作る為、ベルダンディーを利用して神に反旗を翻したのだが、失敗して月面に投獄され、ベルダンディーもウルドによってその記憶を消されていたのだ。そして今回、月から逃げ出したセレスティンはベルダンディーの力を利用して、再び謀反を企んでいた。しかし、ベルダンディーと螢一の絆は強く、螢一の呼び掛けによって記憶を取り戻したベルダンディーは、螢一とふたり、愛の試練の象徴である“裁きの門を通り抜けることに成功し、それを目の当たりにしたセレスティンは、クーデターとベルダンディーへの愛を諦め何処へか消えていくのであった。

曲撃ち、荒馬乗り、ナイフ投げ。団員6人を引き連れ全米各地を巡業するリーダー、ブロンコ・ビリー……。クリント・イーストウッドが妙技に挑戦した現代版ウエスタン。自ら監督も手がけている。

高知の進学校から東京の大学に入学した杜崎拓は、吉祥寺駅のホームで武藤里伽子に似た女性を見かける。その後、はじめての夏休みに同窓会のために故郷・高知へと帰省する道中、拓はその高校時代を思い起こす。季節外れに東京から転校して来た里伽子との出会い、ハワイへの修学旅行、里伽子と2人だけの東京旅行、親友と喧嘩別れした文化祭。ほろ苦い記憶をたどりながら、拓は里伽子の存在を振り返っていく。