心の底から愛した女性と結ばれなかったチャン(トニー・レオン)は、「2046」というタイトルの小説を書き始める。それは“失われた愛”を取り戻そうと“2046”という場所を目指してミステリートレインに乗り込んだ男女を描いた小説だった。

自分の作品のプレミア上映を終え帰宅した、映画監督とその恋人。漂い始めた不穏な空気の中、明らかになる事実に翻弄される2人の愛は一体どこへ向かうのか。

仕事一筋のエリート広告マン、ネルソンは、自動車免許の更新に出掛けた際、風変わりな女性サラと出会った。サラは“11月の1カ月間だけ恋人にならない? 私は不幸な男性を救う能力があるの”と思いがけない提案を申し出る。最初は冗談だと思ったネルソンだが、彼女とのんびりした時を過ごすうち、今までの自分が過ごしてきたむなしい生き方に気付く。いつしか彼はサラを本気で愛するようになるが、彼女はある秘密を抱えていた。

いつからか雨が止まなくなり、住民が郊外や高台へと移り住んでいった街・rain town。打ち捨てられ、誰もいない廃墟と化した「雨の街」の奥深くへと迷い込む少女。そこで出会う、かつての街の記憶を持つ一人ぼっちのロボット。どこか寂しさとノスタルジアを感じるほの暗くも美しい世界の情景を、静謐な音楽と降りしきる雨の音のみで優しく描いた作品。