ピレネーの小村。教師の娘マリーは農園主の息子ジャックと共に、生まれたばかりのロバに“バルタザール”と名前をつけ可愛がる。ある日ジャックが引っ越すことになり、バルタザールもどこかへ行ってしまう。10年後、バルタザールが再び現れ、マリーが喜んであちこち“彼”に馬車を引かせ出かけるのを見て、彼女に思慕を寄せる不良のジェラールは嫉妬し、バルタザールを痛めつけ、実家のパン屋の仕事にこき使う・・・。

『サンタ・サングレ』は、サーカス団長のオルゴとその妻でブランコの名手コンチャと、息子フェニックスの、奇妙な物語である。彼らは、メキシコ・シティーの繁華街にあるグリンゴ・サーカスで働いていた。オルゴは女たらしで、サディスティックでセクシャルな関係を浴していた。現在の相手は“刺青の女”だ。コンチャは、狂信的にある偶像を崇拝していた。それは2人の男にレイプされ両腕を切り落とされサンタ・サングレ(聖なる血)を流した乙女の像である。 フェニックスは繊細で感受性豊かな少年。孤独がちな彼には、刺青の女が連れてくる養女で6歳の少女アルマと、淡くかよいあう感受性の交流があった。しかしアルマは、哀れにも生まれながらの聾唖者だった。 ある夜、オルゴの浮気の現場を掴まえたコンチャが彼の下腹部に硫酸をかける。激怒したオルゴは彼女の腕を切り落とし自らも喉を切って自殺する。この一部始終を目撃したフェニックスは、ショックのあまり精神を病み、施設に収容される。 やがて成長し施設を出たフェニックスは、母親と奇妙な一心胴体芸を生み出す。何かに取り憑かれたようなコンチャの心と、フェニックスの腕が一体となって生まれるフリークス・ショー。コンチャの意志のままに、フェニックスは狂気の母親に代わって、身の毛もよだつような殺人を犯していく。

全米ベストセラー小説を元に製作されたジェニファー・コネリー主演のサスペンス映画。一軒の家を巡って対立する二人の男女の悲劇を描く。2004年度アカデミー賞主要3部門にノミネートされた。

30年代不況期のアメリカを舞台に、貨車(ボックス・カー)で渡り歩いたホーボーと呼ばれる浮浪者の1人である娘とアナーキストの青年が、列車強盗をくり広げる、という実話の映画化。ロジャー・コーマン製作の低予算映画でマーティン・スコセッシ監督の長編デビュー作。