ニューヨーク市警の殺人課刑事ジム(ロバート・ライアン)は、職務に忠実なあまりそのハードな捜査方法で、署内でも孤立した存在だった。そんなある日、上司のブラウリー警部(エド・ベグリー)からニューヨーク郊外の山中の静かな町で起きた少女殺害事件への協力を言い渡されたジムは、その体のいい厄介払いに失望しつつ、ニュージャージーの山の中の町へと向かった。ジムは殺された少女の父親ブレント(ワード・ボンド)とともに、容疑者の少年の姉が住んでいる一軒家へ向かう。メリー(アイダ・ルピノ)というその盲目の娘を一目見たジムは、彼女のかもし出す孤独な淋しい影に心惹かれるものがあった。

サンドラは、パリの小さなアパートで8歳の娘リンと二人暮らしをしながら、通訳者として働いている。父のゲオルグは哲学の教師だったが、病で視力と記憶を失いつつあり、サンドラは別居する母フランソワーズと共に父のもとをたびたび訪ねては介護にあたっていた。育児、介護、仕事で息をつく暇もないサンドラだが、旧友のクレマンと偶然再会し、彼と恋仲になる。彼女は恋にときめく一方で、病を患う父に対するやるせない思いを募らせる。