平安時代、羅生門の下で雨宿りをする下男(上田吉二郎)相手に、旅法師(千秋実)と杣売り(志村喬)が奇妙な話を語り始める。京の都で悪名高き盗賊多襄丸(三船敏郎)が山中で侍夫婦の妻(京マチ子)を襲い、夫(森雅之)を殺害したという。だが、検非違使による調査が始まると、盗賊と妻の証言はまったく異なっており……。
平安時代。藤原道長は、中宮である娘の彰子に帝の心を向かわせようと、彰子に仕える紫式部に物語を書くよう促す。式部は公にできない自らと道長との関係を背景に、帝の子ながら皇子となれなかった貴公子・光源氏をめぐる愛憎劇を描き始める。彼女の物語は帝のみならず都中の人々を魅了し、やがて彰子は帝との間に男児を授かる。一方、陰陽師・安倍晴明は、目的を終えても筆を止めようとしない式部の情念に不穏なものを感じる。
今より千年前、紫式部は宮中の藤原道長からの頼みで道長の娘・彰子の教育係として京の都にやって来る。実は式部には、どうしても京の都で完成させなければいけない一つの物語があったのだ。『源氏物語』と題されたその物語の主人公は桐壺帝の子・光源氏。 容姿端麗にして武芸に秀でている源氏は何不自由のない生活を送っていたが、継母である藤壺中宮への禁断の恋心に苦悩もしていた―。式部はまだ清純な彰子に物語を説いてゆくのだが、ついに物語は源氏が姫君たちとの逢瀬の果てに、藤壺と体を重ねてしまうことになる…。
川口松太郎の同名小説を原作に、光源氏の誕生、成長してからの女性遍歴と、失脚して明石へ流されていくまでを映画化。母そっくりの父の愛人・藤壺への愛、藤壺のライバルである弘徽殿の女御に嫌がらせ、妻・葵の上、女御の姪・朧月夜、常陸宮の姫末摘花、養女にする紫の上、六条の御息所との関係が描かれていく。
光源氏 は、桐壺帝 の二番目の皇子として生まれた。母は桐壺更衣と呼ばれ、帝の寵愛を独り占めしていたが、三歳の源氏を残して他界。嘆き悲しんでいた帝は、やがて桐壺に生き写しの藤壺を女御として迎える。初めは藤壺を母と慕っていた源氏の気持ちは、いつの間にか恋にまで深まった。源氏にはその妻に左大臣 の娘・葵の上が定められていた。葵の上は美しいが権高な女性だったこともあって、藤壺に心を寄せる源氏とは睦まじく打ち解ける仲にはなれない。 ある日、源氏は藤壺に抑えきれぬ胸の内を明かした。藤壺を激しく抱きしめるが、彼女は「もうこれ以上罪を犯すことは出来ない。二度と会うことはない」と告げた。その後、源氏は夫のいる空蝉との一夜限りの契り、夕顔とのはかない愛、美人ではないが心優しい女・末摘花、幼い頃から手塩に掛けた若紫との結婚という愛の遍歴を重ねていく。
宇治の歴史・文化・観光の魅力を多くの人に発信するため、宇治の特長や多層的な魅力を表現したPR動画が完成しました。 令和5年10月31日に京都アニメーションに作成いただきました、紫式部ゆかりのまちを象徴するキービジュアルに描かれた人物や宇治の景色が登場する6分の動画です。