森鴎外の同名小説を、八尋不二と依田義賢が共同で脚色し、溝口健二がメガホンをとった文芸作品。特に美術と撮影はレベルが高く、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞した。美しいラストシーンは、ゴダールが「気狂いピエロ」において引用したことでも知られる。  平安時代末期、農民を救うため将軍にたてついた平正氏が左遷された。妻の玉木、娘の安寿と息子の厨子王は越後を旅している途中、人買いにだまされ離ればなれになってしまう。玉木は佐渡に、安寿と厨子王は丹後の山椒大夫に奴隷として売られた。きょうだいはそれから十年もの間、奴隷としての生活を続けるが、ついに意を決して逃げ出すことにする。しかし追っ手に迫られ、安寿は厨子王を逃すため池に身を投げるのだった。

名優ロバート・デ・ニーロ、シャロン・ストーン、ジョー・ペシ等、豪華キャストの競演が実現!激突する野望、燃えるような情熱、そして尽きることのない欲の絡み合いを、巨匠マーティン・スコセッシ監督が空前のスケールで描き上げた超大作。事実を踏まえたこの壮大な物語の舞台は、1973年の虚飾と夢の街ラスベガス。そのラスベガスでカジノを牛耳り大金を操作する命知らずのギャングたち。彼らの巨大な富と彼ら自身の運命はダイスとともに生み出され、ダイスと共に消えていくー。

L・チャンを主軸に、M・チャン、C・ラウ、A・ラウ、J・チュン、T・レオンと、当時人気絶頂の香港のトップスターたちがきら星のごとく顔をそろえて各自の魅力を存分に発揮。彼らが繰り広げる甘く切ない男女の擦れ違いの恋愛劇を、ウォン監督がスタイリッシュな映像と話法でムード満点に描いて評判を呼び、第10回香港電影金像奨で、作品賞、監督賞など主要5部門を制覇。これが2作目だったウォン監督の異才ぶりをより広く知らしめ、世界中でそれにしびれる熱狂的ファンが続出することとなった。 1960年の香港。競技場の売店の販売員スーは、プレーボーイのヨディからきざなセリフで口説かれ、彼を愛するようになるが、ヨディはやがて、クラブのダンサーのミミに心が移ってしまう。彼に捨てられて心傷つき、夜の街をひとりさまようスーを巡回中の若い警官タイドは慰め、彼女に恋心を抱くが、それは片想いに終わる。“お前の実の母親は外国にいる”と養母から告げられたヨディは、実母に会いにフィリピンへと旅立つが……。

1986年、フロリダ。ヒッチハイクをしながら売春する毎日に疲れ果てたアイリーンだが、ある少女と運命的に出会う。相手のセルビーは同性愛者で、家族や社会からつまはじきにされ、アイリーン同様、絶望と疎外感を募らせていた。2人は意気投合し、どこかで一緒に暮らそうと決心。やがてアイリーンは売春業を再開するようになるが、ある客に森の奥へ連れ込まれて暴力をふるわれた彼女は反撃した結果、相手を殺してしまう。

中年男に体を売って生活するマイクは、緊張すると昏睡状態に陥るナルコレプシー病を持つ。一方スコットは良家のボンボンながら、家出をしていた。そんな二人がマイクの母親探しの旅に出る。

大竜巻の被害を受けたオハイオ州ジーニア。荒廃しきった町で無為な日々をすごす住民たち。野良猫を肉屋に売りつけて日銭を稼ぐソロモンとタムラー 。妹とふざけ散らすドットとその友人の女の子。町はずれをうろつくうさぎの帽子をかぶったままのバニーボーーイ。ソロモンの母もタムラーの父も、大人も子供もその...

吉原の玉菊屋に連れてこられた8歳の少女はきよ葉と名付けられ、高級花魁で気の強い粧ひに面倒を見られることに。何度も脱走を試みるきよ葉だが粧ひや玉菊屋の清次などに導かれ花魁になることを決意する。17歳になったきよ葉は持って生まれた美貌と気性の強さで一躍売れっ子となる。やがてきよ葉は、お客として来た青年・惣次郎と恋に落ちる。