画家の卵であるジャックはある夜、セーヌに身投げしようとする少女マルトを助ける。彼女には一年前アメリカ留学に発った恋人がおり、二人が再会を約束したのがその晩だったのだ。青年は苦悶に沈む彼女を美しいと思った。そして、激しい愛の衝動につき動かされながら、努めて平静を装い、彼女の心が恋人から離れるのを望み、そこに罪悪感を覚える。'57年版と同じく、有名なドストエフスキーの悲恋小説を現代を舞台に翻案した、ブレッソンの覚醒した世界観を窺わす痛烈な作品だ。ヴィスコンティのロマンチズムはここになく、青年の盲愛が、彼の習性である思いのたけをミニ・テレコに吹き込むという形で、露骨に顕わになる様が見ていく苦しいほどだ。 <allcinema>

裕福で豊かな暮らしを送っているものの、夫婦としての関係は破綻しかけている男女。妻の浮気に対し、夫は嫉妬と疑心を募らせていた。そんなある時、妻の不倫相手が突然姿を消したことを機に、事態は思わぬ方向に転じる。