丹波哲郎、平幹二朗、長門勇。若き日の大御所3人が暴れまわり、当時大人気となったTVシリーズの映画化。五社英雄の記念すべき初監督作品でもある。時代劇全盛期の迫力ある殺陣は今でもまったく色褪せない。
江戸時代末期。将軍・家慶の弟で明石藩主・松平斉韶(なりつぐ)の暴君ぶりは目に余った。斉韶は近く、老中への就任も決まっている男。幕府の存亡に危機感を募らせる老中・土井利位は、かねてより良く知る御目付・島田新左衛門に斉韶暗殺の密命を下す。さっそく、甥の新六郎をはじめ十一人の腕に覚えある男たちを集めた新左衛門は、後に加わる山の民・木賀小弥太を含む総勢十三人の暗殺部隊を組織、入念な計画を練り上げていく。しかし、斉韶の腹心・鬼頭半兵衛もまたその動きを抜け目なく察知し、大切な殿を守り抜くべく周到な準備を進めていた。
世界中に産業革命の波が押し寄せ、近世から近代に移り変わろうとした頃、突如として不死の怪物が現れた。後にカバネと呼ばれる事になるそれらは、甲鉄の皮膜に覆われた心臓を持ち、噛んだ者までもカバネにしてしまう。カバネは爆発的に増殖し、全世界を覆いつくしていった。極東の島国である日ノ本で、分厚い装甲に覆われた蒸気機関車、通称・駿城の一つ、甲鉄城に乗り込んだ生駒たちは、熾烈な戦いを潜り抜け、カバネと人の新たな攻防戦の地、日本海に面する廃坑駅「海門」に辿りついた。生駒たちは、同じくカバネから「海門」を奪取せんとする、玄路、虎落、海門の民と「連合軍」を結成し、カバネ撃退の策を立てるのだが、「海門」の地にはある〝秘密〟が隠されているのだった-。
映画ファン待望の2大スター対決が実現し、シリーズ最大のヒットを記録した第20作。蓮華沢の里を3年ぶりに訪れた盲目の渡世人、座頭市。だが村の平和は、小仏の政五郎と生糸問屋の烏帽子屋弥助という2大勢力の対立によってすっかり脅かされていた。市が里に戻ってきたと知った政五郎は、早速、凄腕の用心棒・佐々大作に市の暗殺を命じ、大作もまた100両の金に釣られてその仕事を請け負う。かくして両者はひとたびあいまみえるが、お互いの実力を見てとった2人は、再度の勝負を約束して一旦は別れるが...。
彦根藩の下級武士、志村は剣の腕を見込まれ、主君・井伊直弼の警護を務める近習役に取り立てられた。部下たちにも心のこもった言葉を掛ける井伊の人間性に魅了された志村は命を懸けて井伊を守ろうと心に決める。安政7年(1860年)3月3日、季節外れの雪の中、江戸城桜田門に向かう井伊家の行列を18名の暗殺者が襲う。井伊が命を奪われたことの責任を問われた志村は、藩から逃亡した水戸浪士の首を取るよう命令される。
天文十七年(1548年)。時代は戦国、下克上の世。越後の長尾景虎、後の上杉謙信は、兄に天誅を加えるなど冷徹な闘いぶりをみせていた。一方、甲斐の国では大きな野望を胸に武田晴信、後の武田信玄が勢力を拡大していた。戦乱の中で非情に徹することができない景虎は苦悩の末に城を捨て修行僧になる。が、晴信の無礼に遭遇した景虎は武田陣打倒を決意するのだった。
大映創立18年を記念して、1958に作られた時代劇。渡辺邦男、八尋不二、民門敏雄、松村正温と4人で共同執筆した脚本を、『アンコール・ワット物語 美しき哀愁』の渡辺邦男が監督、渡辺孝が撮影をそれぞれ担当した。 元禄14年3月、江戸城松の廊下で、浅野内匠頭は度重なる侮辱にたえかね、勅使接待役指南の吉良上野介へ刃傷に及んだ。幕府では、上野介派の老中柳沢出羽守が目付役多門や老中士屋らの反対を押しきり、上野介は咎めなし、内匠頭は右京太夫邸で即日切腹という処分を裁決した。赤穂で悲報を受けた内蔵助は、家中の意見を篭城から殉死へ導き、その後始めて仇討の意図を打ち明けた。内蔵助は、順序として浅野家再興の嘆願書を脇坂淡路守に託したが、出羽守はこれも受けつけない。上野介の実子上杉綱憲は、家老・千坂に上野介の警戒にあたらせ、各方面に間者を放った…
かつて素藤の父に輿入れし蟇田領で酒池肉林と暴虐の限りを尽くした玉梓 (たまづさ) は、里見家に討ち滅ぼされた怨念を晴らすために妖怪の首領として蘇えり、息子の蟇田素藤 (ひきたもとふじ) と家来に命じ、里見家の館山城に攻め入った。里見家は滅ぼされ、静姫と一部の家来は生き延びるが、玉梓の追手が迫ってくる。伏姫の体から飛び散った、仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の各字を刻んだ八つの霊玉を持った八剣士は、それぞれの立場で生きていた。やがて彼らは運命に導かれ、静姫のもとに集まり、玉梓の野望を砕くため、戦いを挑む。