ある日、新進女優イヴ・ハリントンはアメリカ演劇界の栄えある賞に輝いた。だが、彼女がここまで上り詰めるには、一部の関係者たちしか知り得ない紆余曲折の経緯があった。8ヶ月前、田舎からニューヨークへ出てきたイヴは、ひょんなことから憧れの舞台女優マーゴの住み込み秘書となった。するとイヴはこれを皮切りに、劇作家や有名批評家に巧く取り入り、マーゴまでも踏み台にしてスター女優へのし上がっていく…。 監督マンキウィッツ自身による見事な脚本と、名優たちの火花散らす熱演とが融合し、その年のアカデミー賞をほぼ独占する形となった、バックステージものの最高作。田舎からニューヨークへ出、大女優(B・デイヴィス)の付き人となったのを皮切りに、有名批評家に取り入って大女優の代役から一躍、ブロードウェイの寵児にのし上がるヒロインを、A・バクスターがまさに一世一代の体当たり芝居で演じきる。批評家のG・サンダースも、いつになく繊細な役柄を的確に表現し、オスカー助演賞を得た。まだ無名の頃のモンローが顔を出している。
古い肖像写真の美女に恋をした青年が、時空を超えて憧れの人のもとへ会いにいく姿を描くSF恋愛映画の名作。母校で初演を迎えていた新進の劇作家リチャードのもとへ現れた老婦人は、金時計を手渡すと“帰ってきて”という言葉を残し去っていく。数年後、再び母校を訪れたリチャードはその町のホテルで一枚の肖像画に心を奪われる。そこに描かれた美女エリーズは、かつての老婦人の若き日の姿だった。日増しに膨れ上がる“彼女”への想いに苦しむリチャードは、ついに時間の壁を越えエリーズと出会う……。
大学教授のデヴィッド(ベン・キングズレー)は、教え子のコンスエラ(ペネロペ・クルス)と一夜を共にする。彼は30歳も年の離れた若く美しい女性との情事に有頂天になり、親友ジョージ(デニス・ホッパー)にも彼女のことを打ち明ける。やがて二人はお互いをかけがえのない存在だと認識するようになるが、デヴィッドの態度は煮え切らず……。
元劇作家で世捨て人のような暮らしをしている高介は港で不思議な女・汐里と出会う。家に泊めてほしいという彼女の願いを一度は退けるが、後日、行きつけのカフェでウェイトレスとして働く彼女と再会する。そんな2人の前に、かつての劇団仲間で高介の女だった演出家の響子が現れ、汐里に芝居に参加しないかと持ちかける。