映像製作会社社長・立花源也は、かつて一世を風靡した大女優・藤原千代子の半生を振り返るドキュメンタリー制作を依頼された。千代子の大ファンだった立花は若いカメラマンを引き連れ、30年前に人気絶頂の中、忽然と姿を消し、以来公の場に現われなかった千代子の屋敷へ向かった。ようやく姿を現した千代子は、歳は老いても昔の清純な印象を残していた。そして、戸惑いながらも自らの人生を語り始めた。それは、女優になる前、女学生の頃に恋した名も知らぬ男性を、生涯をかけて追い求める壮大なラブ・ストーリーだった。
心を体に傷を負ったふたりの女性が、アメリカ南部に根づいているケージャン文化に出会う。生命力あふれる文化を通して、彼女たちの心と体が同時に癒されていくさまが伝わってくるような秀作。
ホラー映画女優だった母を交通事故で亡くしたマックス。3年後、友人たちと母が出演していた映画を観に行くと、映画館で火災が発生。逃げ惑ううちに、いつしか映画の中に入り込んでしまう。そこで役を演じる母に会えて喜ぶマックス。だが殺人鬼も出現し、次々とシナリオ通りに登場人物が殺されてゆく。
オートバイ事故で重症を負った女性ローズは病院で皮膚の移植手術を受ける。やがて彼女の身に異変が。夜な夜な町をさ迷い歩き、わきの下から生えた突起物で抱きついた相手の血を吸っていたのだ。吸われた側にも同じ症状が現れ、被害は拡大。町は感染者であふれていくが……。「グリーンドア」で知られるハードコア女優マリリン・チェンバースを主演にすえたホラー。クローネンバーグ監督が性的なイメージを散りばめながら描く震撼の惨劇。
14歳の時に交通事故に遭って以来、10年間もずっと昏睡状態に陥っていた豊は、ある日突然、病院で長い眠りから覚める。その後のリハビリ期間を経て退院した豊は、父親の友人と名乗る藤森という風変わりな中年男性とともに、今やすっかり変わり果てた豊の家で共同生活を始める。やがてそんな彼のもとに、今は宗教活動をしている父親の真一郎や、米国に行っていた妹の千鶴ら、彼の家族が次第に再集結し、新たな関係を築いていく。