ギリギリの生活を送るシングルマザーのダイアンは、15歳のスティーヴと二人で生活している。彼女は最近矯正施設から退所したばかりの注意欠陥多動性障害の息子の扱いに手を焼いていた。やがて母子は隣の家に住む、今は休職中の高校教師カイラと親しくなっていき……。<カナダの俊英、グザヴィエ・ドラン監督が母と息子を題材に描く人間ドラマ。架空のカナダを舞台に、型破りなシングルマザーと問題児の息子、そして隣人の女性が織り成す人間模様を映し出す。アンヌ・ドルヴァルが母親を演じ、息子をアントワーヌ・オリヴィエ・ピロンが熱演。>

人との交流が苦手な主人公・宮田駿は、環境を変えるべく上京し下町商店街の弁当屋にてアルバイトを始める。小説家になる夢を叶える為にアタックをかけていた出版社からの結果は芳しくない一方で、気さくで美人な弁当屋の女店主・児玉ゆり子や、バイト仲間の小坂由香、その友人たちに囲まれ、東京での新生活は順調なスタートを切ったように見えた。 しかし、そんな状況も長くは続かない。 ある日、駿は由香と共にゆり子の秘密を知ってしまう。それは、商店街全体を巻き込んだ残忍な計画であった。 行動を起こすことのできない自分達に悶々としつつも、秘密を共有する二人の距離は次第に縮まっていく。その傍で着々と進められていく商店街会長・佐伯とゆり子の計画。 若者二人は、何を感じ、何を見ていたのだろうか。一見平凡な寂れた商店街の中に潜む大人たちの闇と、現代の若者との対比を、皮肉にも冷酷に描いた作品。