スーパーマン、スパイダーマン、バットマン、Xメン・・・。コミックスや映画、フィギュアなどで長年にわたって私たちを楽しませてくれるアメリカン・コミック。19世紀末にコミック・ストリップ(新聞連載のマンガ)としてその歴史をスタートさせたアメリカン・コミックは、1933年頃にコミック・ブック(雑誌形式のマンガ)となって出版される。コミック・ブックの刊行は「スーパーマン」や「バットマン」などのスーパーヒーローを生み出し、子供たちを熱狂させた。60年代後半にはロバート・クラムに代表されるカリフォルニアの作家たちによる、カウンター・カルチャーを反映したアンダーグラウンド・コミックスの波が押し寄せ、大人向けのコミックスも増加。その後、より自由で実験的なインディペンデント・コミックまたはオルタナティヴ・コミックといわれるジャンル、グラフィック・ノヴェルと呼ばれる書き下ろし長編のコミックスなども登場。メイン・ストリームのスーパーヒーローもののコミックスは徐々に売り上げが落ちて停滞するものの、相次ぐハリウッドでの映画化やキャラクターの商品化で世界規模のマーケットが確立されている。またアンダーグラウンド作品もメイン・ストリーム化してより広く知られるようになり、アメリカン・コミックスは今なお進化し続ける。