とある夏の日。山あいの小さな駅で1年ぶりに再会した4人の男女。そこから車に同乗し山奥にある湖に向かう4人。彼らは、3年前にカルト教団“真理の箱舟”の信者たちが起こした大量無差別殺人事件の加害者家族たち。教団の手で殺された実行犯たちの遺灰がこの湖に眠っていた。湖で束の間の時を過ごし、帰ろうとすると、彼らの車が消えていた。彼らはそこで同じようにバイクがなくなり途方に暮れている元信者の青年と出くわす。歩いて帰れる距離でもなく、仕方なく彼らは青年の案内で実行犯たちが使っていたロッジで一夜を過ごすことにする。

ヒースが咲き乱れる英国ヨークシャーの丘、“嵐が丘”と呼ばれるその丘に住む農場主アーンショーには息子ヒンドリー(ジェレミー・ノーザム)と娘キャシー(ジュリエット・ビノシュ)がいた。ある日アーンショーはジプシーのみなし子ヒースクリフ(レイフ・ファインズ)を神からの授かりものだと言って家に連れ帰る。父の死後、ヒンドリーは、ヒースクリフを下男として冷酷に扱いはじめる。ヒースクリフにとっての心の支えは美しい娘に成長したキャシー一人だった。

夜やってくる“それ”の感染から逃れるため、森の奥でひっそりと暮らすポール一家。そこにウィルと名乗る男とその家族が助けを求めてやって来る。ポールは“それ”の侵入を防ぐため「夜入口の赤いドアは常にロックする」というこの家のルールに従うことを条件に彼らを受け入れる。うまく回り始めたかに思えた共同生活だったが、ある夜、赤いドアが開いていたことが発覚。誰かが感染したことを疑うも、今度はポール一家の犬が何者かによる外傷を負って発見され、さらにはある人物の不可解な発言…外から迫る、姿が見えない外部の恐怖に耐え続け、家の中には相互不信と狂気が渦巻く。彼らを追い詰める“それ”とは一体・・・。